クレンジングが4つ並んでいる
中川未菜プロフィール

肌荒れと大人ニキビを解決する専門家

中川 未菜

クレンジングオイルでメイクの汚れを落とすときに重要な「乳化」という行程があります。

「乳化」を行うことで、クレンジングオイルの「オイルが肌に残ってベタベタする」「肌への摩擦が多い」といったデメリットをカバーすることができるのです。

本記事ではクレンジングオイルの乳化の方法や効果が知りたい方のために、乳化とは一体どういったことをいうのか、また、乳化の正しい方法を詳しく解説し、実際にクレンジングオイルを乳化することで肌にどんな変化があるのか実証・比較してみました。

より効果的なメイク落としをするためにも、今日からクレンジングオイルを乳化して使ってみてくださいね。

クレンジングオイルの乳化でメイク落としはこう変わる!

クレンジングオイルは洗浄力が高いため、他のクレンジング料よりもメイク落ちは良いですが、クッション性のないテクスチャーから摩擦が多くて肌に負担がかかることや、どれだけすすいでも油分が洗い流されず肌がベタベタしてしまうというデメリットもありますよね。

しかし、クレンジングオイルを乳化することによって、肌をゴシゴシと擦らずに短い時間ですっきりとメイクを落とすことができます。

下の画像は、クレンジングオイルを乳化するのとしないのではメイク落としにどんな変化があるのかを実際に比較した実験です。

クレンジングオイルを乳化している様子

クレンジングオイルを乳化せずにメイクを落とすと、完全にメイクを落ちるまでに48秒かかりましたが、乳化をしてメイクを落とすと28秒で完全にメイクが落ち、20秒も短縮することができました。

また、クレンジングオイルを乳化しないでメイクを落としたときは、洗い流しに時間がかかり何度も肌を擦ってしまいましたが、乳化をしてメイクを落としたときは肌を何度も擦らなくてもメイクや油分がするんと落ち、肌に負担がかからなかったです。

なぜ、クレンジングオイルを使う際に「乳化」の行程をはさむだけで、メイク落としに差がでるのでしょうか?
乳化の意味や乳化のメリットを詳しく解説していきます。

クレンジングオイルを「乳化」させるって何?

乳化の様子のGIF動画
クレンジングオイルの乳化とは、上の動画のようにクレンジングオイルに水を数滴含ませることで油と水を馴染ませて乳白色の液体にすることです。

クレンジングオイルを乳化する目的としては、クレンジングオイルとメイクを肌に残さないように洗い流しやすくするためで、メカニズムとしてはクレンジングオイルに配合されている界面活性剤の働きで乳化が起きています。

クレンジングオイルの乳化のメカニズムはやや複雑なので、分かりやすくイラストを使って説明していきますね。

クレンジングオイルの乳化のメカニズム

クレンジングオイル 乳化

クレンジングオイルはその名の通り、油を主成分をとしていて油が水を包み込んだ状態です。(W/O型といいます)

本来ならば、オイルは水をはじいてしまうのですが、クレンジングオイルには油と水を混ぜ合わせる乳化作用を持つ界面活性剤が配合されています。

クレンジングオイル 乳化

界面活性剤があることによって、クレンジングオイルに水を適量加えると乳化が起こり、油が水を包み込んだ状態から水がオイルを包み込む状態に変化するためオイルとはいえ、水で洗い流すことができるのです。

クレンジングオイル 乳化
クレンジングオイルを使っていて、洗い流しても肌がベタベタする、メイクの落ちが悪いという方はこの「乳化」を行えていないことが考えられるので、クレンジングオイルを使用する際は必ず乳化を行うようにしましょう。

乳化したクレンジングオイルがもたらす3つのメリット

桶の水で頬をすすぐ女性

水と油を混ぜ合わせることが「乳化」ですが、乳化をすることで得られる肌へのメリットは一体何なのでしょうか?

クレンジングオイルの乳化はメイクを落としやすくするだけではなく、肌に様々なメリットをもたらしてくれるので詳しく紹介していきます。

乳化の働きで水性の汚れが落ちやすくなる

油性成分しか含まないクレンジングオイルでは、汗などの水溶性の汚れは落としにくいものでありますが、乳化で水分を少量なじませることによって、水溶性の汚れにも働きかけることができます。

W洗顔が不要なクレンジングオイルはこの乳化の「油性と水溶性の汚れも落とす」働きを利用しているため、クレンジングと洗顔を同時にできるのです。

使用感が滑らかになり、摩擦による肌への負担が減る

乳化をしないでいきなりクレンジングオイルを水ですすぐとオイルが水をはじきやすくなりますが、乳化することによって、オイルと水がなじみやすくなって肌を擦る回数も減るので、肌への負担を減らすことができます。

すすぎ残しによる毛穴汚れや肌荒れを予防

あらかじめ水とクレンジングオイルを乳化の作業でなじませて洗い流しやすくしておくことによって、クレンジングオイルの「すすぎ残し」が原因で引き起こされる肌荒れや毛穴汚れといった肌トラブルを防ぐことができます。

正しくクレンジングオイルを乳化させる方法

乳化の仕組みや肌へのメリットは分かるけれど、どのタイミングでクレンジングオイルを乳化させるかといった具的な乳化方法が分からないという方もいるのではないでしょうか。

正しいやり方で乳化を行わないと、乳化の効果が発揮されなくなることもあるため、イラスト付きで正しいクレンジングオイルの乳化方法と乳化の注意点を解説していきます。

クレンジングオイル 乳化手順

クレンジングオイル乳化の手順
  1. 乾いた手にクレンジングオイルをとり、顔をゴシゴシと擦らないように40秒~1分程度でクルクルと優しくなじませる

  2. 数滴の水を指先にとり、肌になじませたクレンジングオイルの上から水を加えて乳化させる
    (※)このとき水の量が多すぎると乳化しにくいので、数滴ずつ顔につけていく

  3. 顔全体が白っぽくなり、オイルのもったりとした質感から、
    指先がフッと軽くなるような感触に変わったら乳化が完了したサイン

  4. 少し冷たいと感じる程度のぬるま湯(32~34℃)で洗い流す
    (※)温度が高すぎると肌が乾燥しやすいため

クレンジングオイルの乳化方法のポイントは、「クレンジングオイルをメイクに馴染ませてから、水を加える」こと。

クレンジングオイルを手にとった段階で水を含ませて乳化をしてしまうと、クレンジングオイルの油分が水分に包まれてしまうため、油性分のメイクが浮き上がらずに顔に残ったままになってしまいます。

クレンジングオイルの中には「濡れた手や顔でも使える」商品もありますが、乳化の効果を最大限に発揮するためにも手も顔もなるべくタオルで軽く水気を抑えてからの使用がおすすめです。

また、乳化の合図ですが、水をつけた箇所から、オイルの色が透明から白っぽく変化していけば、それは乳化がしっかりできている証拠

オイルの滑らかで伸ばしやすい使用感から、少し水分の含んだ軽い使用感に変わり、肌全体に牛乳を塗ったような色にオイルが変わったらすすいでください。

クレンジングオイルを乳化させる際の注意点

スキンケアをしている女性

ヤフー知恵袋を見ていると、「乳化をするとメイクが落ちにくくなる」といった口コミが挙げられていますが、落ちにくくなるとされる場合は、以下の2つのケースが考えられます。

  • 顔や手に水が大量についている状態である
  • 乳化の際の水の量が多すぎる

乳化に使用する水の量が多すぎると、油分より水分が多くなり、メイクの汚れ落ちが悪くなることがあります。

また、顔にあらかじめ水分が多く存在している状態でオイルクレンジングをのせてしまうと、その瞬間から乳化が始まってしまい、油性の汚れを落としにくくなるため、水分が大量に肌についている状態でのクレンジングは控えましょう。

濃いメイクはクレンジングオイルを乳化しても落ちないことも

ウォータープルーフのマスカラやアイライナー、ラメなどが含まれた化粧品を使用している場合は、クレンジングオイルを使用しても落ちにくく、乳化の作業を行うと水分に反応して、メイク料をさらに落としにくくなってしまいます。

落としにくい色の濃いメイクなどは、肌に残った状態だと肌荒れだけでなく、色素沈着を起こす可能性もあるので、ポイントメイク専用のメイクアップリムーバーを使用してから、通常のクレンジングを行いましょう。

【検証】乳化ありと乳化なしで肌の変化を比較!

乳化をする前とした後の顔比較

クレンジングオイルを乳化すると、メイク落ちがよくなることを本記事の冒頭で説明しましたが、メイク落ちが良くなることで肌にどんな変化があるのか気になりますよね。

そこで本記事ではクレンジングオイルを使う際に乳化を行ってからすすぎをした状態の肌と、乳化をせずにすすぎをした状態の肌ではどんな変化があるのかを調べるために、実際に筆者の肌を使って、検証してみました!

本実験の条件

  • 筆者の両頬を使用(左頬を「乳化なし」、右頬を「乳化あり」に設定)
  • 肌タイプ:乾燥肌
  • 使用したメイク料は化粧下地・BBクリーム・ルースパウダーのベースメイクのみ
  • 使用したクレンジングは、HACCI「クレンジングオイル ハニー」

乳化ありなしの比較表

【検証結果①】クレンジングオイルの乳化ですすぎの回数が減った

クレンジングのすすぎ回数としては、乳化なしの場合が20回、乳化ありの場合は14回と、乳化ありの場合の方がすすぎにかかる回数が少ないことがわかります。

乳化をせずにそのまますすぎをすると、すすぎの段階で初めて乳化の現象が起こるため、肌の上のオイルとすすぎの水が反発して、すすぎにくい感覚がありました。

一方、乳化をした状態ですすぎをすると、すでにオイルの成分が少量の水分と混じり合っている状態なので、数回すすいだだけで白く膜を張った感じはなくなり、オイル独特のヌルヌルとした感触もなく、少ないすすぎ回数ですっきりと洗い流すことができました。

【検証結果②】クレンジングオイルの乳化で肌への負担を抑えられた

乳化をした肌は、すすぎの回数が少ないだけでなく、乳化なしのすすぎの際に感じる、オイル独特のヌルヌル感を気にして肌を擦りすぎることがないので、肌にかかる負担も少なくなります。

乳化ありと乳化なしの肌を、ハリツヤ研究所規定のスキンチェッカーの「敏感度」という項目を使って比べてみると、一目瞭然。

乳化なしの場合は、すすぎの際に肌を擦りやすいことから、肌が赤く炎症を起こしやすい状態になっており、乳化ありの場合は、すすぎの回数や肌を擦る回数が少なく、乳化なしの状態よりも肌の赤みが少ないことがわかります。

肌を擦りすぎることによって、肌のうるおいを保つための皮脂まで流してしまい、乾燥などの肌荒れを引き起すだけでなく、肌のハリも低下にも繋がってしまいます。

乳化をするかしないかの違いだけで、肌への負担度が変わるので、日常的に乳化の作業を取り入れてクレンジングを行いましょう。

【検証結果③】クレンジングオイルの乳化で肌の潤いやハリを保てた

乳化前後の水分・弾力値の変化

乳化をせずにゴシゴシと擦りながらすすぎをしてしまった肌は、赤みがでているだけではなく、水分値が低く、乾燥状態になっていることがわかります。

乾燥を引き起こしているだけでなく、肌の弾力値も低く、ハリの低下やたるみの原因にもなるので、乳化なしのオイルクレンジングはリスクが高いと言えるのです。

一方、乳化ありの肌の水分値と弾力値は、平均よりも数値が低いとはいえ、乳化なしのクレンジングよりもどちらも値が高く、乾燥を招きにくいため、乳化という行程は、うるおいを保ちながらクレンジングするために必要な作業なのです。

オイルだけじゃない!乳化が必要なクレンジング料の種類

スキンケア商品のイラスト

クレンジングオイルを乳化することで、メイクが落としやすくなる、肌をこする回数が減って肌の負担を抑えられるなど様々なメリットがあると紹介しましたが、乳化を行えるのはクレンジングオイルに限ったことではありません。

油分が含まれるタイプのクレンジングは乳化をする必要があります。

乳化が必要なクレンジングタイプ

  • クレンジングオイル
  • 油性のクレンジングジェル
  • クレンジングミルク
  • クレンジングクリーム

ただ、クリームタイプ・ミルクタイプのクレンジングを使用した時は、「転相」という言葉が使われるので厳密には「乳化」とはいえませんが、転相の場合も、乳化で体感する現象とほとんど同じで、転相が起こることで、肌へのなじみが良くなり、メイク汚れが落ちやすくなります。

油分も含まれていますが、水分主体でつくられた成分であるクリームタイプやミルクタイプは、容器から適量を手にとった段階では、「水が油を包んだ状態」です。

顔に乗せたときに、手や肌の温度で水分が蒸発してクリーム・ミルクに含まれていた水分が減少したあと、メイクの油分や皮脂と混ざり合ってクリーム・ミルク中に油分が多くなります。

このように、油分と水分の配分が逆転して「油が水を包んだ状態」になることが「転相」と呼ばれる現象です。

さらに、すすぎをすることで水分量が増えて、もう一度転相が起き、「水が油を包んだ状態」に戻る「再乳化」が起こることで、すすぎの際も負担なく洗い流すことができるのです。

よって、クレンジングオイルや油性のクレンジングジェルを使うときは、肌にクレンジングを馴染ませてから水を加える「乳化」を、クレンジングミルクやクレンジングクリームを使うときには、指がふっと軽くなるまで肌にクルクルとなじませる「転相」を行ってくださいね。

まとめ

クレンジングオイルの乳化方法や肌にもたらす効果を紹介しました。

クレンジングオイルを使用する際は乳化という行程を踏むことで、より効果的にメイク落としをすることができるだけでなく、摩擦による乾燥や肌荒れを防いで、日々肌を大切にケアすることができます。

クレンジングオイルを乳化させるときは、必ずオイルをメイクに馴染ませてから水を加えて乳化するようにしてくださいね。

本記事を読んだあなたが、クレンジングオイルの正しい乳化方法を実践して健やかな肌を育めることを祈っています。