小林なつきプロフィール

脂性肌の研究者

小林 なつき

バイオイルは南アフリカ共和国にあるユニオンスイス社が開発した、傷が治った後にできる跡やニキビ跡などのある肌をケアするという特徴を持っているスキンケアオイルです。

傷が治った後にできる跡やニキビ跡などのある肌をケアするというコンセプトの通り、バイオイルを使った人から「ニキビ跡や傷跡が薄くなった」という口コミが寄せられたり、最近ではCMなどでもバイオイルが宣伝されるようになったりしたことからも注目を集めています。

本記事ではバイオイルを使ったニキビ跡や傷跡などが原因となってできる炎症後色素沈着型のシミ対策ケアについて、成分と口コミから説明していきます。

口コミで見るバイオイルのシミ対策効果

コップから吹き出しが出ている

ニキビ跡や傷跡が薄くなると話題のバイオイルを実際に使用した人はどのような感想を持ったのか、いくつかの口コミサイトから口コミを集め、その傾向を出してみました。

良い口コミ

  • ニキビ跡の赤みが引いてきた
  • ニキビや傷跡で凸凹してしまっている部分が滑らかになった
  • 毛抜きでムダ毛処理をした後の毛穴の黒ずみがなくなった

悪い口コミ

  • ニキビが増えてしまった
  • 古い傷跡には効果がなかった
  • 敏感肌が反応してしまった

バイオイルの口コミを見ると、多くの人がニキビ跡や傷跡のケアを目的としてバイオイルを使用していることがわかります。

良い口コミとしては「ニキビ跡の赤みが引いた」「傷跡が薄くなってきた」というものが多く、「ニキビを潰してしまって凸凹していた肌がハリを取り戻しフラットな状態に戻った」という人までいました。

反対に、悪い口コミでは「ニキビが増えてしまった」「ニキビ跡は改善しなかった」というものが多く、「最近できたニキビ跡には効いたけれど古い傷跡には効果が見られなかった」というような声も見受けられました。

同じ商品を使っているのに効果を実感できる人とできない人がいるのはどうしてか、成分や使い方の観点から解明していきます。

バイオイルに含まれる成分からシミ対策効果を考察

アロマボトルとラベンダー

バイオイルは保湿効果の高さが特徴で、傷跡、ニキビ跡、妊娠線、乾燥による小じわに対し、保湿をすることによって肌を柔らかくし、整える効果があるとうたっています。

しかし調査の結果、保湿効果のほかにもニキビ跡や傷跡が原因でできる炎症後色素沈着型のシミに対して有効な成分なども含まれていることがわかりました。

ここでは、バイオイルに含まれている成分から、どのようにシミ対策ができるのかを考察していきます。

バイオイルの効果を高めるピュアセリンオイル

バイオイルはユニオンスイス社が独自に開発したピュアセリンオイルを使って、角質層のすみずみまで保湿成分を行きわたらせる仕組みをつくっています。

バイオイルに含まれている成分は以下の通りで、独自開発されたピュアセリンオイルは元となった成分の名前で表記されているため、ピュアセリンオイルという名前は成分一覧表の中にありません。

バイオイルに含まれている全成分

ミネラルオイル、トリイソノナノイン、エチルヘキサン酸セテアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸レチノール、酢酸トコフェロール、ラベンダー油、ローズマリー葉油、ローマカミツレ花油、ビサボロール、トウキンセンカ花エキス、ダイズ油、ヒマワリ種子油、BHT、香料、赤225

ピュアセリンオイルとはエチルヘキサン酸セテリアルとミリスチン酸イソプロピルという、肌への刺激が弱く広い範囲に使うことができる、化粧品をつくるベースとなる2つの材料を合成した、エモリエント成分のことです。

エモリエント成分とは、化粧品を肌の表面に滑らかに伸ばしたり、肌から水分を蒸発させないようにしたりする効果を持つ油溶性の成分で、多くの保湿化粧品に使われています。

ピュアセリンオイルは化粧品の保湿効果を高めるエモリエント成分の一種なので、ピュアセリンオイルの配合によってバイオイルの保湿効果が高まり、炎症後色素沈着型のシミに効果的な成分を角質層に留めておくことができるのです。

バイオイルは炎症後色素沈着型のシミに効果あり

バイオイルの成分には、ニキビ跡や傷跡のように肌にできた炎症が治ったときに色素沈着を起こしてできる、炎症後色素沈着型のシミへの対策効果がある成分が含まれています。

バイオイルに含まれる炎症後色素沈着型のシミに有効な成分と効能をまとめたのが、以下の表です。

成分名

効能

パルミチン酸レチノール

(ビタミンA誘導体)

  • 抗酸化作用を持ち、皮脂の酸化を防いで肌へのダメージを軽減、シミの原因となるメラニンが生成されるのを防ぐ
  • 古くなった角質と新しい角質を入れ替える肌のターンオーバーを正常に整える

酢酸トコフェロール

(ビタミンE誘導体)

  • 抗酸化作用を持ち、皮脂の酸化を防いで肌へのダメージを軽減、シミの原因となるメラニンが生成されるのを防ぐ
  • 毛細血管を拡張させ、血行を良くして新陳代謝を向上、肌のターンオーバーを正常に整える

ラベンダー油

ローズマリー油

ローマカミツレ油

(皮膚コンディショニング剤)

  • 抗炎症、抗菌作用でニキビをはじめとした肌の炎症を防ぎ、肌荒れを防止する
  • 皮膚コンディショニング剤と呼ばれ、乾燥などのダメージを受けた肌がきれいに見えるよう整える

ビサボロール

  • 医薬品として認められている美容成分で、消炎効果と穏やかな鎮静効果を持ち、肌荒れ・ニキビなどの炎症を抑える
  • 高い保湿力で乾燥や刺激などから肌を守り、肌のターンオーバーを正常に整える

ダイズ油

  • シミの原因となるメラニンの生成を抑え、今あるメラニンを排出させるリノール酸や、メラニンが色素沈着してしまうのを防ぐリノレン酸が含まれている
  • 皮膚から水分が蒸発してしまうのを防ぐエモリエント機能を持ち、保湿効果が高い

ヒマワリ種子油

  • 抗酸化作用を持ち、皮脂の酸化を防いで肌へのダメージを軽減、シミの原因となるメラニンが生成されるのを防ぐ
  • シミの原因となるメラニンの生成を抑え、今あるメラニンを排出させるリノール酸が含まれている

バイオイルの成分の中で、ニキビ跡や傷跡などが原因でできる色素沈着型のシミに高い効果を発揮する成分は、ビタミンA誘導体であるパルミチン酸レチノールとビタミンE誘導体である酢酸トコフェロールの2つです。

パルミチン酸レチノールと酢酸トコフェロールがニキビ跡や傷跡などが原因でできる色素沈着型のシミにどのような働きをするのか、ご説明していきます。

パルミチン酸レチノールが炎症後色素沈着に効果的な理由

ポイント点を語る女性の画像

パルミチン酸レチノールは、壊れやすいビタミンAを安定して肌に届けて吸収しやすいように加工した成分で、肌に与える効果はビタミンAとほぼ同じです。

ビタミンAは肌や粘膜をつくるのに重要な役割を果たしており、肌のヒアルロン酸や水分量を増やして柔らかくすることでニキビ跡などの色を目立たなくすることができます。

肌が柔らかくなることで保湿成分が角質層のすみずみまでいきわたり、肌荒れを防ぐことができるため、肌のターンオーバーが正常に整って炎症後色素沈着型のシミができる原因となるニキビケアの役割も果たします。

肌のターンオーバーとは、今肌の表面にある表皮が新しい表皮に生まれ変わる働きのことで、今ある表皮が肌を保護する健康な表皮へと生まれ変わるためにはターンオーバーを約28日間に整えるのが理想です。

ビタミンAには肌のターンオーバーを促す効果があるため、バイオイルを使うとターンオーバーが正常に整い、肌荒れのない健康な肌の状態が保たれます。

酢酸トコフェロールが炎症後色素沈着に効果的な理由

頬に手を当てて肌を引き上げる女性

酢酸トコフェロールもパルミチン酸レチノールと同様、壊れやすいビタミンEの安定性を高めて吸収しやすいように加工した成分で、ビタミンEとほぼ同じ効果を肌に与える成分です。

ビタミンEは毛細血管を広げて血流を良くする効果を持っているため、細胞のすみずみまで栄養を行きわたらせることができ、新陳代謝が活発になって肌のターンオーバーが促進されます。

パルミチン酸レチノールに含まれるビタミンAと酢酸トコフェロールに含まれるビタミンEはどちらも抗酸化作用を持っており、分泌された皮脂が酸化して肌の細胞を傷付けることを防いでくれるので、炎症後色素沈着の原因を防止する効果も期待できますよ。

さらに、植物由来成分である皮膚コンディショニング剤(※1)が肌にうるおいを与えて肌のターンオーバーの手助けをして、肌内部に沈着したメラニンを徐々に肌表面に押し上げて排出させるので、色素沈着方のシミに対して効果があるといえるのです。

※1:皮膚コンディショニング剤・・・バイオイルに含まれるラベンダー油やローズマリー油、ローマカミツレ油など

しかし、バイオイルは肌のターンオーバーを利用し、ニキビ跡や傷跡が原因でできる炎症後色素沈着型のシミ対策効果を持つ商品なので、最低でも1か月以上継続して使わなければシミ対策効果を実感することはできません。

バイオイルを使ってすぐにシミ対策効果を実感できなかったとしても、肌に合わない場合を除いて、1か月以上は諦めずに使い続けるようにしてください。

バイオイルの気になる成分

○と×を持つ女性

バイオイルには香料、酸化防止剤のBHT、着色料の赤225という3つの添加物が入っており、バイオイルについて調べていると、特にBHTと赤225に対して「健康に対する危険性がある」という情報が書かれているページがいくつか見受けられます。

しかし、BHTと赤225について調査した結果、どちらも健康に対する危険性はないものであるということがわかりました。

BHTと赤225のそれぞれを調べてみてわかったことをお伝えします。

BHTに毒性はなし

OKしている女性のイメージ画像

バイオイルには化粧品の品質を安定させるために「BHT」という酸化防止効果の高い成分が配合されていますが、継続して摂取すると発がん性があると報告されている「BHA」と間違われ、健康への危険性が高い成分であると勘違いされてしまうことが多くあります。

BHTは、アメリカにあるNTP(米国国家毒性プログラム)という研究機関で2年間の毒性試験が行われ、発がん性や人の健康に深刻な影響を及ぼす可能性のある遺伝毒性のない成分であることが確認されているので、配合されていても安心して使用できる成分ですよ。

赤225はタール色素なので敏感肌の人は注意

頬に手を添えて憂鬱な顔の女性

バイオイルに配合されている赤225は、タール色素と呼ばれる合成色素で、タール色素の中には発がん性を有するものが存在していますが、赤225は発がん性があるとの報告はありません。

バイオイルに配合されている赤225は、発がん性があるかなど健康へのリスクを考慮して安全性を確認し、治療薬として使われる医薬品にも使用できると国が定めた指定リストに含まれている色素であるため、安心して使うことができるのです。

ただし、敏感肌の人はタール色素自体にアレルギー反応が起こる場合があるため、腕の内側などの目立たない場所でパッチテストを行い、肌に異常が出ないかを確認してからバイオイルを使うようにしてください。

シミ対策に効果的なバイオイルの使い方と注意点

アロマのボトル

バイオイルはニキビや傷が治った後にできる炎症後色素沈着型のシミ対策に効果を発揮しますが、誤った使い方をするとニキビができてしまったり、シミ対策効果を感じられなくなったりする可能性があります。

ここでは、シミ対策に効果的なバイオイルの使い方をご紹介しますので、ニキビ跡や傷跡の目立たない肌を作るために、正しいバイオイルの使い方を心がけましょう。

シミ対策に効果的なバイオイルの使い方

  1. 洗顔で顔の汚れを落とした後、化粧水で肌を整える。
  2. バイオイルを1~2滴手のひらに取り、体温で薄く伸ばしてから両手で顔全体に伸ばす。このとき、下から上に、内側から外側に向かってやさしくマッサージをするように塗る。
  3. シミの気になる部分には指の腹を使って念入りになじませる。
  4. 美容液やクリームを使って肌の保湿をする。

残念ながら、正しい使い方をしていてもバイオイル自体が肌に合わず、使えないという人も中にはいるかと思います。

バイオイルを使ってみて、以下のようなことが起こった場合には使用を中止し、かかりつけの皮膚科にかかるようにしてください。

バイオイルを使うときの注意点

  • 現在ニキビや炎症のある肌に使用すると刺激になって悪化する可能性あり
  • 肌に合わず使用中に腫れや赤み、かゆみ、刺激など、肌の異常が現れた場合には皮膚科へ
  • 目の中に入ってしまった場合には直ちに洗い流す

バイオイルは販売前にパッチテストや肌への低刺激性テスト、ニキビのもととなるノンコメドジェニックテストをクリアしているため、ニキビのできやすい脂性肌や敏感肌の人でも使用しやすいオイルですが、テストの結果がすべての人に当てはまるわけではありません。

25ml、60ml、125ml、200mlと大小さまざまなサイズの種類があるので、肌荒れしやすかったり化粧品でかぶれたりしたことがある人は、まずは一番小さなサイズのバイオイルを購入して、自分の肌に合うかどうかを試してみてくださいね。

バイオイルを購入するときの注意点

ビックリマークが書かれたボードを持つ女の人の画像

バイオイルは薬局、インターネット通販のどちらでも購入できますが、インターネット通販の場合、並行輸入品の「バイオオイル」を購入してしまわないように注意してください。

バイオイルもバイオオイルもユニオンスイス社が販売している正規品であることには変わりありませんが、その違いは成分にあります。

日本の薬事法で化粧品に使用できると定められた成分以外が入っていないバイオイルに対し、バイオオイルの方は海外の基準でつくられているので、日本では配合できない成分が含まれて、肌荒れを起こしてしまう危険性があります。

バイオイルよりもバイオオイルの方が安価で販売されているためバイオオイルに手が伸びてしまいがちですが、肌荒れしてしまっては元も子もないので、日本人の肌に合うよう調整されているバイオイルの方を購入するようにしましょう。

この記事を書いた専門家

小林なつきプロフィール

脂性肌の研究者

小林 なつき

ハリツヤ研究員として美しい肌の何たるかを日々研究しています。過去、舞台メイクをする環境の中、メイクが原因のニキビ・肌荒れの悩みが改善できずに諦めた苦い経験を胸に、美しい肌を諦めない皆さまの悩みを全力で解決していきます!

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