化粧水が肌に浸透しない理由|肌なじみを見極めるポイントも紹介

化粧水 - update2019.07.10
化粧水が肌に浸透しない理由 肌なじみを見極めるポイントも紹介 アイキャッチ
ハリツヤ編集部

30代からの肌悩みを解決するプロ集団

ハリツヤ研究所編集部

「化粧水を肌に浸透させて美肌に整えたい」「化粧水を肌に浸透させるためのスキンケア方法が知りたい」と化粧水で肌を整えたいという人も多いでしょう。

しかし、実は、化粧水は、肌の奥のほうには浸透しません。

化粧水のパッケージには「肌に浸透」や「高浸透」と書かれているものもあり、化粧水が肌に浸透すると思っている人もいますよね。

化粧水は肌の性質上「肌に浸透」することも「肌の奥まで浸透」することも考えられず、肌表面のラップ程度の薄さの角質層までしか行き渡らないのです。

本記事では、化粧水が肌の奥に浸透しない理由や化粧水の役割についてお伝えします。

また、化粧水は肌の奥には浸透しませんが肌表面の角質層まではなじむため、角質層になじんだサインと角質層になじみやすくする方法についても説明していきます。

化粧水を正しく選んで正しく使い、うるおいあふれる美肌に整えていきましょう。

化粧水は肌に浸透しない?!

「化粧水を肌に浸透させれば、うるおいのある肌に整えられるんでしょ?」と考えている人は多いですよね。

「肌に浸透」という文言が化粧水のパッケージに書かれているのを見たことがある人もいるでしょう。

しかし、実は化粧水は、肌の奥のほうに浸透することはありません。
化粧水は、肌の表面、約0.02mmの薄さの角質層にしかなじまないのです。

肌表面は「表皮」と「真皮」に分けられ、表皮の下にある真皮はコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった肌のハリや弾力に関わる物質で満たされています。

表皮は「角質層」「顆粒(かりゅう)層」「有棘(ゆうきょく)層」「基底(きてい)層」の4層に分かれていて、表皮の1番外側にあるのが角質層です。

表皮では、表皮の一番下にある基底層で生まれた細胞が徐々に押しあがっていき、最終的に垢として剥がれ落ちる仕組みがあります。

この表皮の新陳代謝をターンオーバーと呼び、垢として剥がれ落ちる前の“死んだ細胞”が集まっているのが角質層なのです。

角質層の働きとしては、主に「バリア機能」があげられます。

角質層の「バリア機能」があることで、ほこりや菌が体内に侵入しないよう、外部刺激から身体を守ってくれているのです。

角質層の「バリア機能」は、分子量の小さい水分や油分の体内への侵入も防いでくれています。

つまり、角質層の「バリア機能」がある限り、化粧水が角質層を突破して浸透することはほぼないといえるのです。

化粧水は、肌のハリや弾力に関わる真皮には到達しません。

それどころか、化粧水は基本的に、表皮の一番外側にある「角質細胞」が集まった角質層にしかなじまないのです。

化粧水がスキンケアに欠かせない理由

基本的に、化粧水は4層に分かれている表皮の一番外側にある角質層にしかなじみません。

筆者
角質層の厚さは約0.02mmしかなく、身近なものに例えると「ラップ」と同じくらいの厚さです。

「ラップ」ほどの厚さしかない肌表面の角質層に化粧水をなじませたところで、なんの効果があるのかと疑問に思いますよね。

「肌のケアに化粧水って必要ないの?」と疑問に思った人もいるでしょう。

微妙な顔をする女性

しかし、化粧水には「洗顔後の乾燥した肌に水分を補う」「化粧水後の乳液やクリームの成分をなじみやすくさせる」といった、美肌のために欠かせない大切な役割があるのです。

化粧水の役割は肌の調子を整えること

化粧水には、「洗顔後の乾燥した肌に水分を補う」「化粧水後の乳液やクリームの成分をなじみやすくさせる」といった役割があります。

化粧水の「洗顔後の乾燥した肌に水分を補う」役割とは、洗顔後の肌に化粧水をつけることで、肌表面の失われたうるおいを補うというものです。

皮膚構造のイラスト

角質層は、垢として剥がれ落ちる前の「角質細胞」とセラミドなどからできている「角質細胞間脂質」に分けられます。

簡単にいうと、角質層の「角質細胞」を接着剤のようにつなぎとめているのが「角質細胞間脂質」です。

角質層の間が「角質細胞間脂質」で満たされているときには、肌を守るバリア機能が正常に働いてくれています。

しかし、「角質細胞間脂質」が不足していると、「角質細胞」間が隙間だらけになって、肌のバリア機能が低下してしまうのです。

洗顔後は肌表面の角質や皮脂が剥がれ落ちて、セラミドなどの「角質細胞間脂質」も流れ落ちてしまいます。

そのため、洗顔後に何もしないでいると、「角質細胞」間が隙間だらけになって肌のバリア機能が低下し、肌がカサカサに乾燥してしまうのです。

化粧水の役割

洗顔後の乾燥している肌に化粧水をなじませることで、化粧水に配合されている水分や有効成分が「角質細胞間脂質」の不足を補ってくれます。

化粧水には、角質層に水分を補って、肌のバリア機能を整えてくれる大切な役割があるのです。

また、化粧水には「化粧水後の乳液やクリームの有効成分をなじみやすくさせる」という重要な役割もあります。

化粧水には、肌のキメを整えて肌をやわらかくする効果が期待でき、そのため、化粧水後の乳液やクリームの有効成分が肌になじみやすい状態に整えられるのです。

他にも化粧水には、肌の乾燥が原因の過剰な皮脂分泌を抑えたり、洗顔でアルカリ性に傾いた肌を弱酸性に保ったりといった、肌の調子を整えるためのさまざまな役割があります。

確かに、化粧水には肌を保湿する効果はそれほど期待できません。

肌を保湿するためには、乳液やクリームといった油分で肌表面にフタをして、肌内部の水分蒸発を防ぐ必要があるからです。

しかし、だからといって化粧水をつける意味がまったくないわけではありません。

「洗顔後の乾燥した肌に水分を補う」「化粧水後の乳液やクリームの有効成分をなじみやすくさせる」などの美肌に欠かせない大切な役割を持っているのが化粧水なのです。

化粧水が角質層になじんだ2つのサイン

化粧水は、表皮の1番外側の角質層にしかなじみません。

ただ、化粧水を十分に角質層になじませることで、化粧水後の乳液やクリームの有効成分が肌に行き渡りやすくなるといった効果があります。

乳液やクリームの有効成分が肌に十分に行き渡ると、肌を守るバリア機能が高まり肌のキメも整うため、肌トラブルが起こりにくい健やかな肌に導けるのです。

そのため、化粧水を十分に角質層になじませることは、美肌になるためのスキンケア手順としては、欠かせないステップです。

ただ、化粧水を十分に角質層になじませるといっても、「化粧水が角質層になじんでいることを、どうチェックすればいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

ここからは、化粧水が角質層になじんでいることをチェックできる2つのサインについてお伝えします。

1. 手のひらで触るとピタッと吸いつく

顔を手のひらで触ってピタッと吸いつくようになったら、化粧水が角質層になじんだ証拠です。

角質層に化粧水がなじんでくれば、洗顔後のカサついた肌からモチモチとした感触の肌に変わります。

肌表面に潤いが足りない感触や肌表面がサラッとしている感触があれば、化粧水を付け足してみてくださいね。

2. 化粧水をつけたあとの肌がひんやりする

化粧水が角質層になじむと、肌の温度が下がります。そのため、顔を手のひらで触って冷たくなっているのを感じたら、化粧水が角質層になじんだ証拠です。

顔を触ってみて、冷たくなっていないようであれば、少しずつ化粧水を付け足してみてくださいね。

KOSEの公式HP内の「美容情報」コーナーでも化粧水をつける時は、「肌が冷たくなるまでていねいに」と明記されています。

化粧水が肌になじんだサインとして、ぜひチェックしてみてくださいね。

化粧水は「肌に浸透しない」とはいえ、角質層に十分になじませることで、肌の調子を整える効果を発揮できます。

  • 化粧水をつけた後に肌が手に吸いつくようにもっちりと潤っている
  • 化粧水をつけた後の肌がひんやりと冷たくなっている

上記2つのサインをチェックしながら角質層に化粧水をなじませ、乳液やクリームの有効成分が行き渡りやすい肌に整えておきましょう。

化粧水の最適な量は人それぞれ異なるので、自分の手のひらでチェックしてみてくださいね。

肌なじみUP!スキンケア時の小技・アイテム

化粧水を角質層に十分になじませることで、肌の調子を整え、乳液やクリームの有効成分が行き渡りやすい肌状態に導けます。

そのため、化粧水を角質層に十分になじませることは、スキンケアの中でも大切なステップなのです。

化粧水を手にのせる女性

ここからは、化粧水を角質層に十分になじませるための小技やアイテムについて紹介します。

基本のスキンケアに加えて行うことで、化粧水の肌なじみがさらによくなり、美肌に整えることができますよ!
ぜひチェックしてみてくださいね。

1. 定期的にピーリングを行う

化粧水の肌へのなじみをアップさせるために、定期的にピーリングを行うようにしましょう。

表皮は約28日周期で新陳代謝が行われていて、肌表面の古い角質は自然と剥がれ落ちていく仕組みになっています。

ターンオーバーのイメージイラスト

ただ、加齢やストレスといった様々な要因により、表皮の新陳代謝が滞って古い角質が肌表面に残ってしまうことがあります。

肌表面に古い角質が重なって厚くなると、化粧水がなじみにくくなり顔もくすんできてしまうのです。

そのため、定期的にピーリングを行うことで、肌表面の古い角質を除去するようにしましょう。

ピーリングで古い角質を除去すれば、化粧水がなじみやすくなり古い角質が肌表面に溜まっていたことで生まれるくすみが気にならなくなり、肌本来の透明感も感じられます。

ただし、ピーリングをやりすぎてしまうと、必要な角質まで除去して肌が敏感になってしまうので注意が必要です。

「化粧水のなじみが悪くなってきたな」「顔が少しくすんでいるかも」と思った時に、週に1回くらいの頻度で、ピーリングを行うことをおすすめします。

2. 化粧水の前に拭き取り化粧水を使う

化粧水の肌へのなじみをアップさせるために、化粧水の前に「拭き取り化粧水」を使用してみましょう。

拭き取り化粧水は、洗顔しても落ちなかった肌表面のメイク汚れや古い角質を穏やかに除去してくれるアイテムです。

肌表面の汚れや角質は化粧水が肌になじむのを妨げているため、それらを除去することで化粧水が肌になじみやすくなります。

拭き取り化粧水には毎日使えるものと定期的に使うものがあるので、自分の生活リズムなどに合わせて選んでみてくださいね。

3. 先行乳液や先行美容液を使用する

化粧水の肌へのなじみをアップさせるために、先行乳液や先行美容液を使用するという方法もあります。

洗顔後は肌表面の角質や皮脂が落ちて、肌が乾燥した状態です。

人によっては、洗顔後の肌の乾燥がひどく、肌表面が固くなってしまうこともあります。

肌表面がカラカラに乾燥して固くなってしまうと、化粧水はなじみにくくなります。

筆者
固くカラカラに乾いた土では水が吸収されにくいことを想像すると分かりやすいかもしれません。

そのため、先行乳液や先行美容液を化粧水の前に使用して、肌をやわらかくすることをおすすめします。

洗顔後の固く乾いた肌を先行乳液や先行美容液でふっくらとやわらかくしてあげると、化粧水が肌に行き渡りやすくなるのです。

4. 化粧水を人肌に温めてから使う

化粧水の肌へのなじみをアップさせるために、化粧水は人肌に温めてから使うようにしましょう。

化粧水を手のひらで十分に温めてから肌につけると、肌の毛穴が開き細胞が活発化して、化粧水が肌に行き渡りやすくなるのです。

化粧水を冷えた状態で使用すると、肌がキュッと締まって細胞の働きが鈍くなり、化粧水の肌へのなじみが悪くなります。

そうすると、化粧水の十分な効果が発揮できなくなってしまうのです。

化粧水をつける前に一手間かけて温めて、化粧水を肌に十分になじませるようにしましょう!

5. 化粧水はハンドプレスでなじませる

化粧水の肌へのなじみをアップさせるために、化粧水はハンドプレスでなじませるようにしましょう。

化粧水を肌へ押し込むイメージで、顔を手のひらでやさしく包み込みこむようにハンドプレスしてみてくださいね。

ハンドプレスをすると血行が良くなって顔全体が温まり、化粧水が肌に行き渡りやすくなります。

また、リラックスして副交感神経が優位になることからも、血行促進効果が期待できるのです。

化粧水はやさしくハンドプレスして、肌に十分になじませるようにしてくださいね!

まとめ

本記事では、化粧水が肌に浸透しない理由、肌に浸透しない化粧水にはどんな役割があるのかについてお伝えしました。

「化粧水は肌に浸透しません!」というのは、衝撃的な話だったのではないでしょうか?

しかし、正しい知識を持つことで、口コミなどに振り回されずに自分の判断で化粧水を選べるようになりますよ。

また、化粧水は肌に浸透しませんが肌表面の角質層まではなじみます。

化粧水が角質層になじんだサインと角質層になじみやすくする方法について、ぜひ本記事をチェックしてみてくださいね。

「化粧水は必要ない」スキンケアではなく、乳液やクリームの有効成分を肌に行き渡りやすくするなど肌の調子を整えるのに必要です。

本記事を参考に化粧水を肌に十分になじませて、健やかな美肌に整えていきましょう!

この記事をシェアする

おすすめ記事