
脂性肌の方は普通肌や乾燥肌など他の肌質の人に比べて皮脂の分泌が多く、皮脂による肌のテカリや化粧崩れが起こりがち。
崩れたメイクを直しても、ファンデーションがムラになってしまったり、よれてしまったりした経験はありませんか?
実は、皮脂で崩れてしまったメイクは、崩れた部分にパウダーを重ねるだけではきれいに直すことができず、逆にムラになってしまう可能性があるのです。
本記事では、脂性肌に悩む皆さんのメイクが崩れてしまった際の化粧直しの方法について、どんな点に気を付ければ良いのか、どんな方法で直せば良いのか、プロのヘアメイクアップアーティストから伺ったお話を参考に説明していきます。
化粧直しがうまくいかず、いつも仕上がりが汚くなってしまう脂性肌の方は、ぜひこの記事で紹介する化粧直し方法を実践してみてください。
脂性肌の化粧崩れは3つのレベルに分かれている
脂性肌の方の化粧崩れは段階を追って、3つのレベルに分かれています。
レベルごとに崩れ方が変わり、化粧直しの方法も変わってくるので、まずは自分の直したい化粧崩れがどのレベルに当てはまるのかを知ることから始めましょう。
レベル1|Tゾーンに皮脂がにじんでいる
脂性肌の方は皮脂の分泌が多いため、普通肌や乾燥肌など他の肌質の人と比べてもテカりやすい肌質だといえます。
特に、脂性肌の方だと、皮脂分泌の多いTゾーンはメイクをして数分で皮脂が出始め、1~2時間でテカりが出る、という人も少なくありません。
Tゾーンに皮脂がにじみ、テカリを感じ始めたら、すでに皮脂崩れを起こし始めていると考えて、化粧直しをするようにしましょう。
レベル2|Tゾーンのファンデが皮脂に溶け出している
レベル1の皮脂がにじんだ状態をしばらく放置すると、肌がテカるだけではなく、ファンデーションが皮脂で浮いてしまったり、毛穴落ちしてしまったりと、ファンデーションが安定していない状態になります。
ファンデーションが皮脂で浮いたり毛穴落ちしたりしていると、客観的に見てもメイクが崩れているのがわかるため、できるだけ早いうちに化粧直しをする必要があります。
レベル3|ファンデが部分的に剥げてムラが出る
レベル2の段階でメイクを直す時間をつくれなかった場合、皮脂と混ざり合ってドロドロに溶けたファンデーションが、手や服など何かに触れたタイミングで落ちたり、汗をかいたりした影響で、ファンデーションが部分的に剥げて肌に色ムラのある状態になります。
ファンデーションが剥げて色ムラになった状態は肌が汚く見えますし、隠していたシミやニキビ跡などの色がある肌トラブルも隠せなくなるため、ほとんどメイクが落ちてしまっている状態といっても過言ではありません。
レベル3の状態になる前に化粧直しの時間を取ることが望ましいですが、ファンデーションが剥げてしまうほどにメイクが崩れた場合には、時間に余裕を持って化粧直しに臨みましょう。
脂性肌の化粧直しに必須のアイテム4つ
脂性肌の方の化粧直しに必須のアイテムは、大きく分けて4つあります。
ここでは、脂性肌の方が化粧直しをする際に必須のアイテムと、そのアイテムの用途についてご説明していきます。
ティッシュ・あぶらとり紙
脂性肌の方の化粧直しに必須のアイテム1つ目は、ティッシュ、あぶらとり紙などの「出てしまった皮脂を吸着する」アイテムです。
皮脂分泌が多い脂性肌の場合、メイクが崩れる原因のほとんどは、皮脂の分泌でテカったり、ファンデーションが浮いてしまったりといった理由なので、分泌された皮脂を取り除くアイテムが必要です。
美容情報サイトを見ると「あぶらとり紙は皮脂を取りすぎて、逆に皮脂の分泌を促してしまう」と言われていることもありますが、あぶらとり紙では「取りすぎ」になるほどの皮脂は取れません。
しかし、紙でできたあぶらとり紙は、肌に必要な水分まで奪ってしまうことがあります。
あぶらとり紙を選ぶ際にはフィルムタイプのあぶらとり紙(通称・あぶらとりフィルム)を選んで使ってあげると、不要な皮脂だけを吸着してくれるのでおすすめです。
必ずティッシュやあぶらとり紙で皮脂を取ってから、化粧直しに取り掛かるようにしましょう。
ミスト化粧水・乳液を含んだコットン
脂性肌の方の化粧直しに必須のアイテム2つ目は、ミスト化粧水や乳液などの「肌の水分量をキープする」アイテムです。
皮脂が過剰に分泌される原因の1つには、「肌が乾燥しており、紫外線などの外的ダメージを受けやすくなっているのを守るため」というものがあります。
ミスト化粧水や乳液は、乾燥してしまった肌に水分を与え、紫外線などの外的ダメージから肌を守れる状態にして、皮脂の分泌量をコントロールする効果が期待できます。
また、肌を引きしめる効果を持った収れん化粧水タイプのミスト化粧水なら、肌の引き締め効果があって皮脂のコントロールにもつながりますよ。
また、乳液には水分と油分が含まれているため、メイクがひどく崩れてしまい、メイクをいったんオフしてやり直すという場合に、保湿とメイク落とし両方の機能を果たすことができます。
乳液で落としたメイクを拭き取る際、ティッシュなどの繊維が粗いものを使ってしまうと繊維で肌が傷つき、肌荒れを引き起こす可能性があるので、乳液とセットにして綿100%のコットンを持ち歩き、コットンで拭き取るようにしましょう。
毛穴をカバーするタイプの部分用化粧下地
脂性肌の方の化粧直しに必須のアイテム3つ目は、毛穴をカバーするタイプの部分用化粧下地のように「毛穴をカバーして皮脂を抑え、メイクの土台をつくり直す」アイテムです。
脂性肌の方の化粧崩れは、皮脂の分泌で部分的にファンデーションが浮いたり、逆にファンデーションが毛穴落ちしたりという形で起こることがほとんどなので、メイク直しをするときには崩れた部分のメイクを一度オフしてやり直す必要があります。
皮脂は毛穴から分泌されるため、毛穴をカバーするタイプの部分用化粧下地には大抵、肌のテカリやべたつきを抑えるはたらきがあり、脂性肌の方の化粧直しには最適なアイテムであるといえます。
乳液でメイクをオフした後の化粧直しでは、毛穴をカバーするタイプの部分用化粧下地を使って毛穴をカバーし、皮脂の分泌を抑えてからファンデーションを重ねるようにすると、化粧直し後の化粧崩れ対策にもなりますよ。
ルースパウダー・フェイスパウダー
脂性肌の方の化粧直しに必須のアイテム4つ目は、ルースパウダータイプのファンデーションやフェイスパウダーなどの「肌表面に浮き出た皮脂を吸着する」アイテムです。
家を出る前にルースパウダーやフェイスパウダーを使ってメイクを仕上げたとしても、パウダーの粒子1つ1つが吸着できる皮脂の量には限界があるため、テカリが出るタイミングで一度パウダーを塗りなおしてあげると、テカリのない肌を取り戻すことができます。
特に、ルースパウダーやフェイスパウダーはさらっとして油分を含んでいないものが多く、皮脂を吸着する能力に優れているため、脂性肌の方の化粧直しには最適なアイテムであるといえます。
現在の肌の印象を変えたくないという場合に使うのは色のついていないフェイスパウダー、メイクをオフしてしまった時など、肌色を補正したい場合に使うのはルースパウダー、というように使い分けてあげると、自分の保ちたい肌の印象を守れるので、おすすめです。
メイクの崩れレベル別|脂性肌の化粧直しテクニック
脂性肌の方の化粧直しに必須のアイテムと用途をご説明したところで、具体的にどのアイテムを、いつ・どのタイミングで使うのかといった手順をご紹介します。
レベル1|崩れ始める1歩前、30秒のお直し術

皮脂が出始めた程度の崩れはじめは、ティッシュやあぶらとり紙で皮脂を押さえ、ルースパウダーやフェイスパウダーなどのさらっとした触り心地のパウダーを重ねるだけの、簡単な方法でメイクを直すことができます。
また、皮脂が多く分泌されるときは肌が乾燥している可能性があるため、ミスト化粧水で肌の水分を補うのも皮脂崩れ対策として気を付けたいポイントの1つです。
レベル1の化粧直しで使うアイテムと化粧直しの手順は以下の通りです。
- ティッシュorあぶらとり紙(使用感の好みで選んでください)
- ミスト化粧水
- ルースパウダーorフェイスパウダー
(肌色を補正するならルースパウダー、テカリを抑えるだけならフェイスパウダー)
▼レベル1の化粧直し手順
![]() | 皮脂の分泌があるところをティッシュやあぶらとり紙で押さえる このとき、肌は擦らず、紙の上から肌をやさしく抑えるようにして皮脂を取る |
![]() | 皮脂を取った部分がムラになっていたら指の腹で皮脂とファンデーションをなじませる |
![]() | ファンデーションをなじませた部分に肌の乾燥を感じたらオイルフリータイプのミスト化粧水を吹きかけ、広い面は手のひら、細かい部分は指の腹で肌に水分を与える |
![]() | 皮脂を取った部分にルースパウダーやフェイスパウダーを少量乗せる |
レベル2|崩れ始めたお昼時、お手軽3分お直し術

皮脂が出てすぐに直せなかった場合、皮脂はファンデーションの油分と混じり合ってドロドロになってしまいます。
いざ化粧直しをしようとしたとき、ファンデーションがドロドロに崩れ始めていたら皮脂を取るだけでなく、崩れてしまった部分を落とし、落とした部分だけ再度メイクをしなおしてください。
レベル2の化粧直しで使うアイテムと化粧直しの手順は以下の通りです。
- 乳液とコットン
- 部分用化粧下地
- ルースパウダー
▼レベル2の化粧直し手順
![]() | 皮脂で崩れている部分(Tゾーン)のメイクに乳液をなじませ、コットンで優しく撫でるように拭き取り、メイクを落とす コットンで乳液をふき取るとき、力を込めると摩擦が生まれて肌の刺激となるため、弱い力加減で拭く |
![]() | 手のひらや指の腹を使い、拭き取り切れない乳液を肌になじませる |
![]() | メイクを落とした部分に部分用化粧下地を塗り、ベースメイクの土台を作り直す |
![]() | 部分用化粧下地を塗った部分にルースパウダーを薄く重ねる |
レベル3|崩れがムラになる夕方のしっかりお直し術

レベル2の時点でも化粧直しができず、ファンデーションが崩れてムラになってしまった場合は、化粧直しではなく1からメイクをやり直してしまった方が早いので、ポイントメイク以外の部分はすべて落としてベースメイクを作り直しましょう。
全体的に落としてしまった場合、部分用化粧下地は特に皮脂分泌の気になる部分に使用し皮脂分泌の少ない部分には薄く塗り広げるようにして使ってください。
レベル3の化粧直しで使うアイテムと化粧直しの手順は以下の通りです。
- 乳液とコットン
- 部分用化粧下地
- ルースパウダー
▼レベル3の化粧直し手順
![]() | メイクが崩れた部分に乳液をなじませ、コットンで優しく撫でるように拭き取り、メイクを落とす コットンで乳液を拭き取るとき、力を込めると摩擦が生まれて肌の刺激となるため、弱い力加減で拭く |
![]() | 手のひらや指の腹を使い、拭き取り切れない乳液を肌になじませる |
![]() | 肌にべたつきがなく、水分が浸透したことを確認できたら、部分用化粧下地をTゾーンなどの皮脂分泌が多い部分に塗り込み、皮脂分泌が少ない部分には薄く塗り広げる |
![]() | 化粧下地を塗った部分にルースパウダーを薄く重ねる |
脂性肌のメイクを崩れにくくするためのポイント
脂性肌の化粧直し方法について、化粧崩れのレベルごとに使いたいアイテムと手順をご紹介しましたが、そもそも化粧持ちを良くするためにはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。
ここでは脂性肌の方のメイクを崩れにくくするために気を付けたい3つのポイントをご紹介していきます。
その1|保湿をする
脂性肌の方のメイクを崩れにくくするための1つ目のポイントは、化粧水や乳液・保湿ジェルなどできちんと保湿をすることです。
脂性肌の方は、べたつくのが嫌だから、皮脂が分泌されて潤いは守られるから、という理由でスキンケアを化粧水のみで済ませてしまう場合がありますが、化粧水のみでは潤いを守ることができず、肌は乾燥してしまいます。
肌は乾燥すると皮脂を分泌して自分を守ろうとするため、化粧水のあとは乳液や保湿クリームを使って、肌から水分を逃がさないようフタをするようにしてください。
その2|皮脂に強いベースメイクアイテムを使う
脂性肌の方は皮脂の分泌が多く、化粧崩れの原因も皮脂崩れによるものが大半なので、皮脂に強いベースメイクアイテムを使うことが必要不可欠です。
特に、皮脂を分泌する肌に直接触れることとなる化粧下地には、皮脂の分泌を抑え、化粧持ちや化粧ノリを良くする効果を持つものが多く売り出されているため、脂性肌の方は皮脂に強いという記載がある化粧下地を使うようにしましょう。
また、ファンデーションやフェイスパウダーなどの化粧下地以外のベースメイクアイテムでも、皮脂に強く、脂性肌でも崩れにくいものが売り出されているので、皮脂分泌に悩んでいる脂性肌の方は皮脂に強いベースメイクアイテムを選ぶようにしてください。
その3|ファンデは厚塗りせず、薄付きにする
脂性肌の方は、皮脂の分泌により毛穴が開いてしまったり、ニキビができやすかったりと、目に見える肌トラブルが起こりがちな肌質なので、肌トラブルを隠すためにファンデーションを厚塗りにしてしまいがちです。
しかし、ファンデーションを厚塗りすればするほど、分泌された皮脂と混じり合うファンデーションの量が増え、崩れ方も汚く、目立つようになってしまいます。
肌に隠したいトラブルがあるときは、その部分をコンシーラーで隠し、ファンデーションを厚塗りしないようにするだけでも、メイクは崩れにくくなり、崩れても汚い見た目になることを避けられるので、必ず薄付きのメイクを心がけるようにしてください。
脂性肌でも簡単きれいな化粧直しで自身の持てる肌に
本記事では、皮脂分泌でメイクが崩れがちな脂性肌の方でも、簡単、きれいにメイクを直すことができる方法を紹介してきました。
脂性肌の方の化粧崩れは、Tゾーンに皮脂がにじみ始め、皮脂がファンデーションと混ざり合ってドロドロに溶け出し、ファンデーションが部分的に剥げてムラとなる、という3つのレベルで段階的に起こります。
それぞれのレベルで化粧直しの方法は異なりますが、すべてに共通して言えるのは、皮脂を取ったり、皮脂の出方を調節したりと、自分の皮脂をうまくコントロールしてメイクを直すのが大切だということです。
また、脂性肌の方のメイクを崩れにくくするためには、スキンケアと化粧品選び、メイク方法の工夫も重要になるので、本記事や関連記事を参考にして、化粧直しの回数を減らす工夫もしてみてくださいね。