目元のシワが目立つ女性
西村陽子プロフィール

エイジングケアとインナービューティーのスペシャリスト

西村 陽子

シワに効く化粧品を探しているとよく目にする「レチノール」という成分。

2017年3月には資生堂が開発したレチノール配合化粧品のシワ改善効果が厚生労働省に認められ、効果の高いエイジングケア成分として注目を集めています。

「レチノール」とは一体どんな成分で、どのようなしくみでシワに働きかけるのでしょうか?

気になる副作用や、レチノール配合の化粧品の選び方や使い方など、レチノールに関する不安・疑問を一挙に解消します。

シワに働きかける「レチノール」とは?

年代によるシワの変化
年齢を重ねると目立ってくるシワ。

シワは一本あるだけで、顔の印象を一気に老けさせるので、できれば化粧品などで防ぎたい、と思っている人も多いのではないでしょうか。

シワに効く成分として知られる「レチノール」ですが、一体どのような成分なのか詳しく解説します。

レチノールはビタミンAの一種

プラセンタ 瓶 イメージ
レチノールはビタミンA の一種で、私達の体の皮膚や粘膜、血液中など全身に存在しています。

ビタミンAは大きく分けて「レチノール」「レチナール」「レチノイン酸」の3種類あります。

体内にあるビタミンAはほとんどがレチノールの形で存在していますが、レチノールが酸化することで「レチナール」が作られ、レチナールが酸化することで「レチノイン酸」が作られています(下図参照)。

レチノールの酸化の様子

ビタミンAの体内での働き

ビタミンAの種類

働き

レチノール

  • 肌のターンオーバーを促進する
  • 真皮内のコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促進する
  • 皮脂の分泌を抑える

レチナール

  • 網膜で働き視覚を正常に保つ

レチノイン酸

  • 肌のターンオーバーを促進する
  • 真皮内のコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促進する
  • 皮脂の分泌を抑える

レチノールは肌の健康に大きく関わることから、様々な肌への効果が期待され、シワなど改善するエイジングケア成分として化粧品に配合されています。

レチノールとレチノイン酸の違い

どちらにするか悩む女性
レチノール、とレチノイン酸の働きは似ていますが、レチノイン酸はレチノールの約100倍という強い作用を持っています。

レチノイン酸は肌への効果が高い半面、肌への刺激が強く、副作用などが起こりやすいので、シワ対策化粧品には配合されず皮膚科で処方される薬でしか使用することができません。

レチノイン酸はトレチノインとも呼ばれ、肌のターンオーバーを強力に促す力を利用して、美容皮膚科などでシミやシワの治療に使用されています。

化粧品

一方、レチノールは肌への作用が穏やかですが、刺激が少なく、副作用などが発生する可能性も低い安全な成分。

シワなどを改善する成分として、広く化粧品に配合されています。

シワ対策化粧品に配合されているレチノールの種類

手鏡を持ち肌の状態と化粧をチェックしている女性

一口に「レチノール」と言っても、シワ対策の化粧品に配合されるレチノールには様々な種類があります。

レチノールは空気や光などによって、変質しやすく安定性の低い成分。

そのため、化粧品に配合する際には、多くの場合、他の成分と結合させて安定化させた「ビタミンA誘導体」の形で配合されています。

主なビタミンA誘導体

  • パルミチン酸レチノール
    →レチノールにパルミチン酸を結合させて安定させた成分で多くの化粧品に配合されている

  • 酢酸レチノール
    →レチノールに酢酸を結合させて安定させた成分

  • レチノイン酸トコフェリル
    →レチノイン酸にビタミンE誘導体を結合させた成分医薬品のレチノイン酸よりは刺激が少なく、安全性が高い

また、特殊な技術によってレチノールの酸化を防ぐことで、レチノールをそのままの状態で配合した化粧品もあります。

レチノールは誘導体化したレチノールに比べて刺激は強くなるので、使用に当たっては少量から始めるなど、注意が必要です。

レチノールがシワに働きかけるメカニズム

ポイントを伝える女性
「シワに効く」と言われるレチノールですが、実際どのようなしくみでシワを改善するのでしょうか?

ここではレチノールがシワに働きかけるメカニズムを掘り下げて説明していきます。

肌のターンオーバーを促して「表皮性のシワ」を改善

頬に手をあてる女性

レチノールやレチノールが変化したレチノイン酸には「肌のターンオーバーを促進する」作用があります。

私達の肌の一番外側にある表皮は肌のターンオーバーという働きによって、一定の周期で新しい細胞に生まれ変わっていますが、肌のターンオーバーの周期は20代で約28日間、30代で約40日と年齢を重ねることで周期が長くなるのです。

肌のターンオーバーが遅れがちになることで、年齢を重ねた肌には次のような肌トラブルが。

年齢を重ねた肌のトラブル

  • 古くなった角質が肌に溜まって、角質が厚くなる
  • 角質にある肌の保湿因子が十分に作られず肌が乾燥する
  • 肌が乾燥して、シワが肌に残るようになる

肌のターンオーバーが遅れることでできるシワは、シワの深さが比較的浅く、シワの溝が表皮内に収まっている「表皮性のシワ」です(下図参照)。

レチノールによって肌のターンオーバーが促進されると、表皮の細胞が新しい細胞にスムーズに生まれまわるので、表皮内のシワは改善していきます。

また、角質層にある肌の水分を保つ働きをしている「細胞間脂質」や「天然保湿因子(NMF)」といった肌の保湿因子は、肌のターンオーバーの際に作られるので、肌のターンオーバーが促進されることで、肌の乾燥が改善。

肌がうるおうと肌はふっくらとハリを取りもどし、表皮性のシワは目立たなくなってくるのです。

レチノールは真皮性のシワにも働きかける

実感する女性
レチノールのシワへのもう一つの働きかけは、表皮の下にある真皮へのアプローチ。

シワができる大きな原因は、真皮内にある肌の弾力やハリを作り出す成分が減少することです。

真皮の中は、コラーゲン繊維やエラスチン繊維が網の目のような構造を保ち、隙間をヒアルロン酸などの成分が埋めることで、肌の弾力やハリを生み出しています。

コラーゲン繊維は、真皮内の繊維芽細胞が作り出していますが、加齢や紫外線などの影響で繊維芽細胞の働きが弱まると、コラーゲン繊維やエラスチン繊維減少し、真皮が変形して、深いシワが発生します(下図参照)。


レチノールには、真皮内のコラーゲン繊維やエラスチン繊維の生産をサポートする働きがあり、真皮内のコラーゲン繊維やエラスチン繊維が増えることで、肌の弾力やハリが復活して深いシワが改善する効果が期待できるのです。

気になるレチノールの副作用

微妙な顔をする女性
レチノールについてネットで調べていると、「レチノールには副作用がある」「ビタミンAは過剰摂取に注意」といった気になる情報も目にします。

シワに効果があるレチノールを使ってみたいと思っても、「危険性があるのでは?」と躊躇している人も多いのではないでしょうか。

実際に、レチノールにはどのような副作用やリスクがあるのか、レチノールは安全な成分なのかを解説します。

レチノール副作用①肌荒れや炎症

鏡を見て毛穴に悩む女性

シワを改善する化粧品に配合されているレチノールやビタミンA誘導体は低濃度のため肌に強い刺激を与えることはほとんどありません。

また、レチノールは皮膚科で使用されているレチノイン酸の約100分の1程度の作用しかないので、大きな副作用は起こりにくいと考えられます。

レチノールはビタミンAの一種ですが、肌のビタミンAが不足している人が使用すると、使用を始めた際に以下のような症状が出ることがあります。

レチノールの副作用

  • 肌に刺激を感じる
  • 肌に赤みやかゆみがでる
  • 肌がカサつく

上記の反応は「レチノイド反応」と呼ばれ、ビタミンAによって急激に肌のターンオーバーが促されることで起こるもの。

症状がひどくなければ一週間程度は様子を見ることで、次第に収まってくることがほとんどです。

1週間を過ぎても症状が収まらない場合や、赤みやかゆみが次第にひどくなって来た場合は、速やかに使用を中止し医師に相談するようにしましょう。

レチノールの副作用②過剰摂取による中毒

やってはいけない行動

シワに効果のあるレチノールですが、レチノールの別名であるビタミンAを過剰摂取すると危険という記事を目にした人もいるのではないでしょうか?

ビタミンAは体内では合成されないため、食品などから摂取する必要のある栄養素です。

ビタミンAは多く取りすぎた場合、体外に排出されにくい「脂溶性(水に溶けにくい)ビタミン」なので、過剰摂取すると体内に蓄積され中毒症状が出ることがあります。

ビタミンAの過剰摂取による症状は、めまいや頭痛、皮膚炎など。

また、妊娠中のビタミンAの過剰摂取は奇形などの可能性があるために、ビタミンAの摂取量の上限が定められています。

赤ちゃんのほっぺ

一般に「過剰摂取」というのは、主に食品からの摂取を指しています。

レバーなどに含まれるレチノールや、サプリメントなど経口で摂取するレチノールについては、一日の所要量を厳密に守るようにしましょう。

化粧品に配合されているレチノールについては、皮膚から吸収される量はわずかなので大きな問題となることはまずありません。

実際に市販されているレチノール配合の化粧品も、妊婦の使用を禁じているものはないようです。

ただし、皮膚科で使用されている「レチノイン酸(トレチノイン)」は妊婦の使用が禁忌とされています。

妊娠中や妊娠の可能性のある人はレチノイン酸による治療は控えるようにしましょう。

レチノール配合の化粧品が販売停止になったことも

商品が陳列されているドラッグストア

化粧品成分としてのレチノールには、大きな副作用が起こることはほとんどありませんが、過去にはレチノール配合の化粧品で肌トラブルが続出し、販売停止になるというケースがありました。

販売停止になった化粧品は、高濃度のレチノールを配合したエイジングケア化粧品でしたが、発売直後から使用中に肌のかゆみや腫れ、赤みなどが見られるなどの苦情が上がり、販売停止になりました。

レチノールは正しく使えば安全な成分ですが、濃度や成分の安定性など、化粧品としての安全性が信頼できる商品を選ぶ必要があると言えるでしょう。

レチノール配合化粧品の選び方と使い方

店員と商品を選ぶ女性
レチノールはシワへの効果が期待できる魅力的な成分。

一方で、濃度や使い方によっては、肌に刺激を感じたり、赤みやかゆみなどが発生したりといった肌トラブルが起こることも。

レチノールを配合の化粧品の選び方と、安全使うための正しい使い方を紹介します。

レチノールが安定した形で配合されているものを選ぶ

潤いを実感する女性の画像

レチノールはそのままでは酸化しやすく、化粧品に配合することは難しいと言われています。

そのため、多くの化粧品ではレチノール安定させたビタミンA誘導体の形で配合しているのです。

また、レチノールをそのまま配合する場合は、各メーカーがレチノールをナノカプセルに詰めたり、紫外線を通さないボトルに入れたりと、レチノールが酸化、変質しないような工夫がされています。

化粧品を選ぶ際は「レチノールが安定した状態で配合されているか」をチェックするようにしましょう。

レチノールはいきなり高濃度のものをシワに使用しない

販売停止になったレチノール配合の化粧品が「高濃度」を謳っていたように、刺激の少ないレチノールも濃度が高いことで、肌に様々なトラブルを生じさせる可能性があります。

レチノールを初めて使う場合は、高濃度のものを選ばず、低濃度から少しずつ肌に慣らしていくようにしましょう。

レチノールを初めてシワに使用する際は少量から

化粧水を手に取っている画像
レチノールは敏感肌の人や、生理前や妊娠中など肌が敏感になっている人にとっては刺激を感じることがある成分です。

また、初めて使う場合は皮膚の乾燥や赤みなどの「レチノイド反応」が起こることがあるので、使用する際は少量から始め、肌に変化がないか観察しながら徐々に量を増やしていきましょう。

心配な人は「パッチテスト」といって、少量の化粧品を実際に肌に付けるテストを行うことをおすすめします。

パッチテストのやり方

パッチテストのやりかたイラスト

  1. 腕の内側など、目立たない場所に化粧品を付け、肌に刺激や赤み、かゆみなどがないかを観察します。
  2. 30分以内に大きな反応がなければ、そのまま絆創膏などで化粧品の上を覆い24時間放置した後、同じように肌の状態を観察します。
  3. 特に異常がなければ化粧品の使用を開始します。

商品記載の使用方法を守る

二の腕にクリームを塗る女性
レチノール配合の化粧品は、商品によって「夜のみ使用」や「朝・夜の2回使用」など使用回数が指定されている場合があります。

シワを早く直したいからといって、使用量や使用回数を増やすと肌トラブルが起こる可能性も。

肌トラブルを避けるためにも必ず商品添付の説明書に従うようにしてください。

また、「最初は2、3日おきに夜だけ使用し、2週間ほど様子を見た後に回数を増やしていく」といった使い方を推奨している商品もあるので、メーカー指定の使用法や使用量を守るようにしましょう。

目元のシワにレチノールを使用したいという人も多いともいますが、目元は皮膚が薄い場所で刺激を感じやすい場所です。

目元に使用したい場合は、レチノール配合のアイクリームを使用するか、メーカーに目元への使用が可能かどうかを確認してから使用するようにしましょう。

レチノールを使用する場合は、日焼け止めを併用する

レチノールには「肌のターンオーバー」を促すという作用があるため、古くなった角質が剥がれやすくなり、使用した当初は一時的に肌の角質が薄くなることがあります。

角質は、私達の肌を紫外線から守る働きをしているので、レチノール使用中は日焼け止めや化粧下地などUVカット機能のある化粧品を併用して、ふだん以上に紫外線から肌を守るようにしましょう。

レチノールは酸素に触れて酸化するだけでなく、紫外線によっても変質します。

レチノール配合の化粧品を使用中はできるだけ、紫外線を浴びないように、日傘や帽子などを使用するなど注意をしてくださいね。

他のレチノール配合化粧品と併用しない

化粧品が数種類の画像

「早くシワを改善したい」という人の中には、いくつかのレチノール配合化粧品を同時に使う人もいるかもしれません。

複数のレチノール配合化粧品を使うと、肌に働きかけるレチノールもそれだけ多くなってしまうので、結果的に高濃度のレチノールを使用していることになってしまいます。

レチノール配合の化粧品はどれも単独で使用したときを想定して配合濃度が設定されているので、レチノール配合の化粧品の併用は行わないようにしてください。

【シワにおすすめ】レチノール配合の化粧品3選

三本の指をたてる女性
シワへの効果が期待できるレチノールを安全に使うには、化粧品選びがポイントです。

配合されているレチノールの安定性や実際に使った人の口コミなどから、安全に使用できるレチノール配合化粧品を選びました。

レチノールは油溶性(油に溶ける)成分なので、油分の多いクリームに配合されている場合がほとんどです。

今回はおすすめのレチノール配合クリームを3つ紹介します。

ビーグレンQuSomeレチノA


6,480円(税込)
 

ビーグレンQuSomeレチノAの特徴

  • 「カプセル化されたレチノール」と「レチノイン酸トコフェリル」の2種のビタミンAがシワに働きかける
  • 「トリフルオロアセチルトリペプチド」が肌のハリや弾力をサポートしてシワを改善
  • 「オーガニックシアバター」「スクワラン」が肌をしっとり保湿し乾燥によるシワを予防

QuSomeレチノAは、働きの異なる2種類のビタミンAを独自のQuSomeというナノサイズのカプセルに入れて配合。

ビタミンAの働きと保湿成分の働きで、気になるシワをしっかり予防・改善してくれます。

口コミでも

「小じわがマシになってきた」
「シワの溝が浅くなってきた」

とシワに変化を感じている人が多数いました。

ビーグレンQusomeレチノAについて詳しく知りたい方はこちらから

エリクシール ジュペリエル エンリッチド リンクルクリーム

エリクシール リンクルクリーム

6,264円(税込)

エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリームの特徴

  • シワを改善する「純粋レチノール」を配合
  • 日本で初めて「シワを改善する」効果が認められた医薬部外品の化粧品
  • レチノールが表皮内のヒアルロン酸を増やし、肌がやわらかくなることで目元や口元のシワが改善

2017年に発売されたエリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリームは厚生労働省によってシワへの効果が認められた「純粋レチノール」配合の化粧品として、大きな注目を集めています。

9週間に渡る実験の結果、シワグレード4レベル(明瞭な浅いシワの中にやや深いシワがわずかに認められる)のシワまで効果が認められた商品です。

アンプルール ラグジュアリー・デ・エイジラインセラム アイEX

アンプルール ラグジュアリー・デ・エイジラインセラム アイEX 商品画像
8,640円(税込)
トライアルセット 2,100円(税込)

アンプルール ラグジュアリー・デ・エイジラインセラム アイEXの特徴

  • 「純生レチノール」「植物幹細胞」「GF(成長因子)」が加齢によってたるんだ目元をふっくらとボリュームアップし、シワを改善
  • ゴマ由来の「セサフラッシュ」が肌表面にハリを生み出しシワを目立たなくする
  • 保湿成分「浸透型コラーゲン」「カルシノン」が乾燥によるシワを改善

アンプルールは皮膚科医が開発したドクターズコスメとして知られるスキンケア化粧品です。

自社独自の測定基準によって効果を確認したものだけを商品化しているだけあって、口コミでも

「潤いとハリを実感」
「目尻のシワと乾燥が気にならなくなった」

と効果を実感する声が多数上がっています。

レチノールを正しく使ってシワを改善!

鏡をみつめる女性
レチノールはシワに効果が十分期待できる成分ですが、化粧品の成分としては、取り扱いに少し注意が必要な成分であることも確かです。

レチノールを安全に使うためのポイントは、「レチノールの安定性にこだわって商品を選ぶこと」と、「使用方法を守ること」。この二つを守れば、安全にレチノールの効果を享受することができますよ。

あなたのシワの救世主となるかもしれないレチノール。

正しく使ってハリのある肌を取り戻してくださいね。