
肌荒れがヤバく、もうダメだ死ぬしかない(医者行こう)と思ったが明日まで行けないのでとりあえず今朝見つけた白色ワセリン塗ってたら回復してきた。白色ワセリンすごいね…???
— にぃ@2歳育児中妊婦 (@nikori0508) 2018年4月11日
この前肌荒れした時に病院でワセリン処方してもらったんだけど、白色ワセリンの高保湿低刺激感やばいしかも朝使っても大丈夫…。ニベアだと肌荒れしちゃうんだけど、ワセリン素晴らしい…。全身に使える…。自分でも買おう…。高純度のやつそこそこ値段するみたいだけど、その価値ある。
— 犬丸自家通販受付中 (@loco_maru) 2015年9月28日
肌荒れをしてしまったときに使ってみて良かったと口コミでも評判のワセリン。
薬局でも買える手軽さと低価格で大容量であることからコストパフォーマンスが良く、肌を保湿するために最適な保湿剤であると多くの人に使われています。
しかし一方で、肌荒れ中に油分が多く、重たいテクスチャーのワセリンを使って保湿をするのは気が引ける…という方もいるのではないでしょうか。
本記事では肌荒れを起こしてしまっている肌に、ワセリンを使用した保湿を1週間行い、本当に肌荒れの悩みが改善するのかどうかを検証したうえで、ワセリンが肌荒れ中の肌にもたらすメリットやデメリットをお伝えしていきます。
本記事を読んで、自分の肌荒れタイプにワセリンでの保湿が合うのかどうかを見極めてから、使用してくださいね。
目次
肌荒れに良いと口コミで評判の「ワセリン」とは
ワセリンとは、石油由来の鉱物油を精製し、不純物を取り除いてつくられた保湿剤のことをいいます。
成分は油分のみで構成されており、水分を配合していないため、肌に水分を与えることはできません。
ワセリンは、ワセリンの原料である石油を精製しつくられ、精製したあとの不純物の混合率が高い順に、黄色ワセリン(ヴァセリン)・白色ワセリン・プロペト・サンホワイトの4種類に分けられます。
4種類に分けられたワセリンは、精製度が低く不純物の混合率が高いほど販売価格は安くなり、精製度が高く不純物の混合率が低いほど販売価格が高めに設定されていて、テクスチャーや使用感もそれぞれ違います。
4つのワセリンの特徴をそれぞれ詳しく解説していきます。
1.黄色ワセリン(ヴァセリン) 黄色ワセリンは文字通り黄色みを帯びたワセリンで、身近なドラッグストアやスーパーで300円程度から購入できる「Vasseline(ヴァセリン)」が黄色ワセリンにあたる。 固いテクスチャーで肌になじみにくく、もったりとしていてベタつきを感じる。 |
2.白色ワセリン 白色ワセリンは、黄色ワセリンをさらに高度に精製されたワセリンで、実際の色味は真っ白ではなく淡い黄色を帯びている。 黄色ワセリンと同様、もったりとした使用感で、肌になじませにくくベタつきを感じる。 |
3.プロペト プロペトホームは白色ワセリンをさらに精製させて不純物の配合量が少なく、赤ちゃんや肌の敏感状態がひどい肌にも安心して使用することができる。 使用感は白色ワセリンや黄色ワセリンに比べて柔らかく伸ばしやすいテクスチャーで、肌にのせると濃厚な保湿クリームのような感覚。 |
4.サンホワイト サンホワイトは、精製度が高いプロペトホームをさらに高度に精製させた、ワセリンの中では最も純度の高いワセリン。 どんな化粧品をつけても肌に刺激が加わる人や乳幼児のデリケートな肌にも安心して使用することができる。 |
【検証】ワセリンでの保湿で肌荒れの悩みは改善するのか
ツイッターなどのSNSでは、「ワセリンを使った保湿で肌荒れの悩みを改善できた」という声があがっていますが、本当にワセリンで肌荒れの悩みを改善することができるのでしょうか。
実際に肌荒れに悩むコスメコンシェルジュの筆者の肌を使って、1週間ワセリンを使っての保湿を行いました。
さっそく、1週間ワセリン保湿実験の内容を見ていきましょう。
ワセリンでの保湿を1週間継続したら肌荒れは改善する?
<本実験の検証者>
- 化粧水:無印良品/化粧水・敏感肌用・高保湿タイプ
- 保剤:プロペトホーム
1週間ワセリン実験結果
ワセリンでの保湿を始める前の左側の写真は、極度の乾燥によって頬全体に粉が吹き、さらには肌が敏感状態になっているため、スキンケア化粧品やメイクアップ化粧品を使っていても肌がヒリヒリと痛み、頬の上部にはニキビもポツポツとできていました。
ひどい肌荒れの状態を改善するべく、1週間のみ無印良品 化粧水・敏感肌用・高保湿タイプとプロペトホームを使って保湿を行ったところ、右の写真のように肌の粉吹きが軽減し、頬の赤みが減っていますね。
肌がピリピリと痛んだり、かゆみが出たりと敏感状態だった肌も、スキンケア化粧品・メイクアップ化粧品を使っても刺激を感じない程度まで落ち着かせることができました。
しかし頬にできてしまった赤いニキビは、完全に良くなることはなく、ポツンと目立つニキビがポツポツと残ってしまいました。
1週間ワセリンを使用した保湿を検証してみた結果、乾燥や敏感状態による肌荒れの悩みは落ち着き、ニキビによる肌荒れは完全に落ち着かせることができませんでした。
〇 肌の敏感状態による赤みやかゆみが軽減した
× 頬の上部にできたニキビが目立たなくなることはなかった
ワセリンが有効な肌荒れの悩みは乾燥・敏感のみ
乾燥による肌荒れに悩んでいた使用体験者の筆者の肌は、ワセリンで保湿をすることで、肌荒れの悩みが改善した部分と効果があまり感じられなかった部分があったのは一体なぜなのでしょうか。
ワセリンでの保湿で乾燥や敏感肌による肌荒れに効果が感じられ、ニキビには効果が出にくかった理由を詳しく解説していきます。
乾燥・敏感肌にワセリンが有効な理由
乾燥によって粉吹きを起こしていた頬の上部や、敏感状態になってしまっていた肌のヒリつきやかゆみがなくなったのには、ワセリンが持つ水分を保持する保湿力の高さに理由があります。
乾燥によってできる粉吹きにワセリンが有効な理由
乾燥によってできる粉吹きは、肌の水分を保持できず、肌の内側から水分が蒸発して極度の乾燥状態になってしまった肌の表面がめくれあがることで起こる現象です。
本実験では高保湿タイプの化粧水を使用して肌にたっぷりと水分を与えた後に、プロペトホーム(白色ワセリン)を薄く肌に塗ったことで肌に水分を蓄えることができたので、肌のうるおいが保たれ、乾燥による粉吹きの悩みが軽減したと考えられます。
肌の敏感状態が健常に戻った理由
本実験で使用したプロペトホーム(白色ワセリン)は、精製度が高く肌に刺激を与えやすい不純物の配合率が低いワセリンで、肌表面に油分の膜を張ることで肌に与えた水分を保つ効果があります。
プロペトホームの水分を肌の外に逃がさない力によって、肌に与えられた水分と油分のバランスがとれ、肌のうるおいが保たれて、紫外線やアレルギー物質などの外的刺激から肌を守る肌のバリア機能が正常な状態に戻されたと考えられます。
ニキビにワセリンが効きにくかった理由
頬の上部やフェイスラインにあったニキビには、ワセリンを使っての保湿が有効ではありませんでした。
本実験で使用した化粧水「無印良品 化粧水・敏感肌用・高保湿タイプ」とワセリン「プロペトホーム」は、どちらにも赤く炎症を起こしたニキビを落ち着かせる抗炎症成分が配合されていないスキンケア化粧品です。
そのため、ワセリンでの保湿実験の前に頬にできてしまっていた炎症を起こした赤いニキビが、色味が多少薄くなる程度で完全にニキビの悩みをなくすことができなかったと考えられます。
できてしまったニキビには、ニキビ専用のスキンケア化粧品を使用してスキンケアをすることが大切です。
肌荒れが悪化?ワセリン保湿時の5つの注意点
ワセリンを使用しての保湿は、肌の状態を見極めずに使ったり、使用する方法を誤ったりすると、肌荒れが悪化してしまう恐れがあります。
肌荒れの悪化を防ぐために、以下の5つの注意点を押さえて適切に使用しましょう。
水分不足で乾燥の原因に
ワセリンは配合成分が油分のみで水分は含まれていません。
そのため、乾燥による肌荒れに悩む人が化粧水を使用せずにワセリンのみで保湿をしようとすると、水分が不足した状態のまま肌の表面に油分だけ塗りたくっているのと同じことになってしまいます。
肌表面に油分だけ存在していても肌の内側には水分が不足した状態のままで、うるおいを与えたことにはならないので、ワセリンを保湿剤として使用するときは、必ず化粧水で肌をうるおした後に使用しましょう。
不純物が肌刺激の原因に
肌のバリア機能が壊され、小さな刺激にもヒリつきやかゆみを感じてしまう敏感肌状態の方が、精製度が低い黄色ワセリンや白色ワセリンを使用すると、肌が健康な人なら刺激を感じない程度の不純物に反応してヒリつきやかゆみを引き起こす原因になってしまいます。
肌が敏感状態になっていて、いつも使っている化粧品でさえ肌にしみたり、かゆみが出たりするという方は、精製度が高く不純物の配合量が少ないプロペトまたはサンホワイトを使用しましょう。
油分が毛穴を詰まらせニキビの原因に
ワセリンには水分は配合されておらず油分のみで構成されているため、ニキビができやすい脂性肌タイプの方や、すでに毛穴に皮脂が詰まって黒ずみや詰まりができている方が使うと、ワセリンの油分が毛穴を詰まらせてしまう恐れがあります。
ワセリンの油分が毛穴に詰まると、酸化して毛穴の黒ずみが目立ってしまうだけでなく、詰まった毛穴の中でアクネ菌が炎症を起こし、ニキビをさらに悪化させたり、新しく作り出したりしてしまうのです。
脂性肌タイプの方や、ニキビができやすい肌質の方は、ワセリンを使った保湿を控えて、ニキビ肌用のスキンケア化粧品を使用して肌荒れをケアしてくださいね。
固いテクスチャーで肌摩擦の原因に
ワセリンの中でも黄色ワセリンと白色ワセリンはテクスチャーが固く、固い状態のまま肌に乗せて塗り伸ばすと肌を摩擦させて肌荒れを引き起こす恐れがあります。
ワセリンを使用するときは、ワセリンを手にとってすぐに顔に塗るのではなく、手のひらの上で体温を使って温めてゆるやかなテクスチャーにしてから顔に塗っていくと、肌に摩擦による刺激をかけずに使えますよ。
酸化したワセリンは絶対に使用しないで!
黄色ワセリンや白色ワセリンといった精製度が低く不純物の配合率が高いワセリンは、ワセリンの成分が酸化しやすくなり、酸化したワセリンを肌に使ってしまうと肌荒れを引き起こしてしまいます。
ワセリンの酸化が起きるのは以下の条件の時が主であるといわれているので、以下の条件化で保管していたワセリンを使用したことで、肌荒れが起きている可能性があるのでいま一度保管方法を見直してみましょう。
- 開封から3年以上経っている
- 高温多湿の環境で保管していた
- 紫外線が直接当たる環境(直射日光)で保管していた
白色ワセリンが黄色くなったり、黄色ワセリンがさらに濃い黄色または茶褐色に変化したりしていたら酸化している合図で、肌トラブルの元になるため肌への使用は絶対にやめましょう。
乾燥・敏感肌におすすめ!ワセリンを使った効果的な保湿方法
乾燥によって引き起こされる肌荒れや肌が敏感状態になることで起こる肌荒れは、ワセリンを使った保湿によって悩みを改善に導くことができるという実証結果が出ました。
ここでは、ワセリンを保湿剤として使ってさらに効果的に保湿を行うことができる方法を紹介していきます。
ワセリン使用前には高保湿化粧水を
乾燥による肌荒れや、肌が刺激に敏感になってしまっている時にワセリンを使ってより効果的に保湿をするには、ワセリンを肌に塗る前に保湿力の高い成分が配合された高保湿タイプの化粧水を使用するのがおすすめ。
ワセリンには水分が配合されていないため、乾燥による肌荒れや敏感状態になってしまい肌荒れを起こしやすくなっている肌に、洗顔後すぐにワセリンをつけてしまうと、肌内部の水分が少ない状態のまま、肌表面に油分だけ塗ってしまっていることになります。
肌の乾燥は、水分不足によって引き起こされるため、ワセリンを保湿剤として使用するときは、必ず高保湿成分配合の化粧水を使ってからワセリンを肌に塗りましょう。
肌に水分を与え、うるおいを留めて保持する効果のある、以下の高保湿成分が配合されている化粧水を選んで使用するのが最も保湿に適しているので、化粧水を購入する前に成分表示を確認してみてくださいね。
- セラミド(特にセラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド6Ⅱ)
- ヘパリン類似物質
- スフィンゴ脂質
高保湿美容液をプラスして肌にさらにうるおいを
乾燥による肌荒れや肌が敏感状態になってしまって肌荒れを起こしている場合は、高保湿化粧水だけではなく、さらに保湿力を高めることができる美容液を使用してからワセリンを塗り重ねるのがおすすめです。
美容液は化粧水に比べてより高濃度の保湿成分を配合しているので、化粧水とワセリンのみで保湿を行うよりも、美容液を使用したほうがさらに肌の保湿力を高めることができますよ。
ただ、美容液は有効成分や美容成分の配合濃度が高い分、配合成分が肌に合わなかった場合に、ヒリつきや痛みが生まれて肌荒れを引き起こす恐れもあるので、美容液を保湿に加える際にはまず二の腕などの目立たないところでパッチテストを行ってから顔に使用しましょう。
》パッチテストのやり方はこちらから
当ハリツヤ研究所では、保湿に最適な美容液を紹介している記事もあるので、ぜひこちらもよんでみてくださいね。
使用するワセリンは精製度が高いものを
乾燥や敏感状態、ニキビなど、肌荒れの種類すべてに当てはまりますが、肌荒れしている時の保湿に最適なワセリンの種類は「プロペト」と「サンホワイト」です。
プロペトとサンホワイトはワセリンの中でも精製度が高く、不純物の混合率もごく少ないため、肌のバリア機能が低下し刺激を受けやすくなっている肌荒れ中の肌でも、安心して使うことができます。
使用するワセリンの量は顔全体で米粒大程度
またワセリンの使用量は、どれだけ肌が乾燥している状態でも米粒程度のみに留めましょう。
ワセリンには肌をうるおす水分や保湿成分が配合されていないので、ワセリンをたくさん使えば使うほど、肌を保湿できるというわけではありません。
ワセリンはあくまでも、化粧水や美容液で肌に与えた水分を、ワセリンの油分で閉じ込めて逃がさないために使用する保湿剤なので、どれだけワセリンをたくさん塗ろうと肌に水分を与えない限りは肌をうるおし、保持することはできないのです。
化粧水や美容液で肌に与えた水分を逃さないためには、化粧水や美容液の後に米粒大程度のワセリンを肌に塗り伸ばして使うのが最適な使用量です。
- まずは乾燥しやすい頬のあたりや目元・口元を中心に、肌をこすらないようにワセリンをつけていきましょう。
- テカリのでやすいTゾーンには手のひらにごく薄く余ったワセリンをやさしく押しつけるように使うと、肌への負担を最小限に保湿することができますよ。
まとめ
本記事では「ワセリンが肌荒れ中のスキンケアに有効である」という口コミを実際に検証し、乾燥や敏感状態に陥った肌荒れには有効ですが、ニキビによる肌荒れには効果を発揮しにくいということがわかりましたね。
ワセリンが持つ特徴を見極めて使えば、肌に負担をかけることなく肌荒れによる悩みを解決することもできるので、ワセリンを正しく使って肌を保湿・保護して、肌荒れの悩みを解決していきましょう。