
スキンケア化粧品として欠かせない化粧水。
「肌に水分を十分に与えよう」と、化粧水をたっぷりつけている」という方も多いのではないでしょうか?
実は、化粧水は多くつければ良いというものではなく、化粧水のつけすぎは肌に悪い影響を与える場合もあるのです。
スキンケアのために使っている化粧水が原因で、肌トラブルが起きていたとしたら…ショックですよね。
正しい保湿のために、化粧水の使い方をぜひ一度見直してみてくださいね。
化粧水のつけすぎに注意!
「化粧水のつけすぎ」…といわれても、「化粧水の使用量なんて、そこまで厳密に気にしていない」という方も多いのでは?
世の中にはいろいろな美容情報が溢れていて、「保湿のためには化粧水をたっぷり使ったほうがいい」「化粧水は重ねづけするのが効果的」といった情報を目にすることもありますよね。
実際、肌の乾燥が気になる方だと、「保湿のために意識して化粧水をたっぷりと使用している」という方もいるかもしれませんね。
化粧水をはじめ、スキンケア化粧品にはどれも「適量」というものがあり、多くつければそれだけ効果が大きいというわけではありません。
まずは、ふだん使っている化粧水について、「つけすぎていないか」を一度見直してみましょう。
以下のチェックリストに1つでも当てはまる方は、化粧水をつけすぎている可能性があります。
化粧水のつけすぎは、肌にプラスにならないだけでなく、場合によっては肌トラブルの原因となることも…。
上のチェックで1つでも当てはまる項目があった方は、化粧水をつけすぎている可能性があるので、この機会に正しい化粧水の量や使い方をマスターしてくださいね。
化粧水のつけすぎが招く3つの肌トラブル
肌に良かれと思って、贅沢にパシャパシャとつけていた化粧水。
「化粧水のつけすぎは肌に良くない」と聞くと、肌にどんな影響があるのかが気になりますよね。
化粧水のつけすぎが招く3つの肌トラブルについて解説します。
1.過乾燥によって肌が乾燥する
「過乾燥」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
過乾燥とは、「乾燥しすぎた状態」のこと。
過乾燥は、水分が蒸発するときに、もともとそこにあった水分も一緒に蒸発させてしまうことで起こります。
濡れた新聞紙を乾かした後にバリバリになったり、冬に唇がカサついたときに舐めてしまうとさらに乾燥がひどくなったりするのも、過乾燥が起こっているからです。
化粧水を肌につけすぎると、浸透しきれなかった化粧水が肌表面に残ります。
化粧水の成分は80%以上が水なので、肌の上に水分が溜まった状態に。
肌に溜まった水分が蒸発する際に過乾燥が起こると、もともと肌にあった水分が失われ、肌の水分量が低下して肌が乾燥してしまいます。
2.ニキビなどの肌荒れ
化粧水のつけすぎは、「かゆみ」や「赤み」「ニキビ」などの肌荒れの原因となる可能性もあります。
肌荒れを起こす大きな原因となるのが、肌の一番外側にある「角質層」の働きの低下です。
角質層は、肌の水分を保ち、肌を外部の刺激から守る「肌のバリア機能」を果たしているとても重要な部位。
角質層の肌のバリア機能が働くことで、私達の肌は健康で美しい状態を保っています。
肌のバリア機能が落ちて肌の乾燥が続くと、肌はさらなる乾燥を防ごうと皮脂の分泌を増やす場合も起こるのです。
乾燥が引き金となって皮脂の分泌が増えると、毛穴詰まりが起こり、大人ニキビが発生しやすくなります。
化粧水をつけすぎるとすぐに、肌荒れやニキビが発生するというわけではありません。
しかし、スキンケアを繰り返すたびに角質層が少しずつ傷ついていくと、ニキビや肌荒れができやすい肌になっていく、ということを知っておいてくださいね。
3.シミやくすみ
化粧水は本来シミをケアするために使われる方も多くいるので、「化粧水のつけすぎでシミ?」と聞くと意外に思われるかもしれませんね。
実は、化粧水を肌につける際に肌に与えられる摩擦や刺激は、繰り返されることでシミの原因になる可能性があるのです。
- 化粧水を肌につける際に「パチパチ」と手のひらでパッティングをする。
- 肌に浸透させようと、手のひらなどで肌をこするようにして化粧水をつける。
- コットンで化粧水をつける際に肌に摩擦を与えている。
上記のような化粧水のつけ方だと、毎日のスキンケア時に、一定の摩擦や刺激を肌に与えることになるので、注意が必要です。
刺激が毎日繰り返されると、肌は自らを守ろうとメラニン色素を作り出し、生成されたメラニンが肌に溜まってシミやくすみとなることがあるのです。
化粧水の役割とは
保湿のために良かれと思ってたっぷりつけていた化粧水が、場合によっては肌トラブルの原因になることもある、ということがわかっていただけたでしょうか。
かといって「化粧水はつけないほうがいい」というわけではありません。
スキンケアに欠かせない化粧水には、ちゃんと役割があります。
ここでは、化粧水の役割をもう一度見直して、「化粧水はどんな目的で肌につけるのか」をおさらいしておきましょう。
肌に水分と保湿成分を与える
みずみずしくうるおった肌を作るためには、肌に十分に水分が保たれていることが必須ですよね。
化粧水の最大の役割は、まさに「肌に水分を与えること」ですが、ただ単に「水」を与えただけでは、水分はすぐに蒸発してしまいます。
肌にある水分は、肌に備わっている「保湿因子」と呼ばれる成分によって、しっかりと肌に保持されています。
スキンケアにおいては、ただ単に水分を肌に与えるだけではなく、水分を保持できる成分を一緒に与える必要があります。そのために化粧水に配合されているのが「保湿成分」です。
化粧水は、水がベースでできているので、保湿成分の中でも、「アミノ酸」や「ヒアルロン酸」「グリセリン」といった水溶性の保湿成分を肌に補給するのに適しています。
化粧水が浸透できるのは、肌の一番外側にある角質層まで。
角質層は、厚さが0.02mmというラップほどの厚みしかありません。
角質層に浸透できる水分と保湿成分には限りがあり、必要以上に化粧水を肌に与えると、余った化粧水が肌に残ったり、角質層がふやけたりしてしまいます。
厚さ0.02mmの角質層がうるおえば、それで化粧水の役割は十分果たせている、ということを忘れないでくださいね。
肌を柔らかくして美容成分の浸透を良くする
洗顔後は、洗顔料の洗浄成分などによって、皮脂が落とされているために、肌はとても乾燥しやすい状態に。
実際、洗顔した後に肌をそのままにしておくと、肌はどんどん乾燥していきますよね。
角質層内の水分が減ると、角質層が硬く柔らかさを失ってしまい、保湿成分が浸透しにくくなってしまいます。
化粧水は、洗顔後の肌にとてもなじみやすく、肌を柔らかく保つことで、その後に使用する美容成分の浸透を良くしてくれるのです。
機能成分を肌に与える
化粧水には保湿成分だけでなく、「アルブチン」「プラセンタ」などの美白成分や、「ビタミンC誘導体」「プロテオグリカン」といったエイジングケア成分を配合したものがたくさんあります。
実際、シミやそばかすの予防に美白化粧水を使っているという方も多いですよね?
化粧水は洗顔後すぐの肌につけるものなので、肌にダイレクトに成分が浸透しやすく、特に水溶性の美容成分を肌に与えるのに適しています。
毎日のスキンケアでシミ・そばかすの予防やシワ・たるみケアをしたいという場合には、機能成分を配合した化粧水が効果的です。
その他の特定の役割を持った化粧水
化粧水には、スキンケアの最初につける一般的な化粧水以外に、「拭き取り化粧水」や「収れん化粧水」などのように特定の役割をもった化粧水もあります。
化粧水の役割は保湿の一部
スキンケアにおける化粧水の重要な役割は「肌に必要な水分と保湿成分を与え、肌を柔らかくする」ということですが、「肌の保湿」という観点から見ると、化粧水だけで、保湿が完了するわけではありません。
保湿を行うには、水分や保湿成分だけでなく、水分の蒸発を防ぐための油性成分も肌に補う必要があります。
保湿を完了するためには、化粧水の後に、化粧水に含まれていない油性成分などを補う乳液やクリームなどを使用することが必要です。
「水分」「保湿成分」「油性成分」の3つが揃うことで、保湿が完了するということを覚えておいてくださいね。
化粧水の正しい使い方と効果的な使い方
皆さんはふだん化粧水をどのようにつけていますか?
忙しい日々、「なんとなくパシャパシャとつけて終わり」という方も多いのではないでしょうか。
ここでは化粧水を使う適量や正しい使い方について解説します。
みなさんがふだん行っているやり方をぜひ見直してくださいね。
化粧水の適量とは?
「化粧水のつけすぎが良くない」ということがわかれば、「一体どれくらいが適量なの」ということが知りたいですよね。
化粧水の適量とは、特に説明書などに使用量の記載がない場合は、一回の使用量を【500円玉大】を目安にすると良いでしょう※。
※商品によっては、適切な使用量を表示している場合があるので、使用前に必ず添付の説明書を確認するようにしてください。
500円玉大というのは、化粧水を手でつける場合の適量になります。
化粧水をコットンでつけるという方は、コットンに残る化粧水の量も加味して、500円玉2個分くらいの量が必要になるでしょう。
「500円玉大」と書きましたが、化粧水の必要量は肌の面積や状態によって個人差があります。
自分の肌に化粧水が足りているかどうかは、次に紹介する正しいつけ方でつけた後に、肌の状態を見て調整してくださいね。
化粧水の正しいつけ方
それでは、化粧水の適量がわかったところで、実際に肌につける正しい方法について解説していきます。
手でつける?コットンでつける?
化粧水を肌につける際は、手でつける方法とコットンを使用する方法がありますよね。「手とコットン、どちらがいいのかよくわからない」という方も多いのではないでしょうか?
化粧水をつける方法としては、どちらが正解というわけではありませんが、それぞれにメリット、デメリットがあります。
手でつける場合メリット | デメリット |
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メリット | デメリット |
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コットンでつける場合の最大の問題は、つけ方によっては肌への摩擦や刺激などが生じること。
コットンを肌に滑らせる際の摩擦や、コットンの繊維の毛羽立ちなどが、敏感肌の方には刺激となりやすいので注意が必要です。
また、コットンの場合はつけているときに肌の状態を確認しにくいので、化粧水をつけすぎてしまう可能性も…。
コスメコンシェルジュの筆者としては、肌への刺激が少なく、化粧水の肌なじみを確認できるという点から、手でつける方法をおすすめします。
コットンを使用することを推奨している化粧水(拭き取り化粧水など)には、もちろんコットンを使用しますが、以下の点に注意するようにしましょう。
- 質の良いコットンを使用すること
- 肌をすべらす際に、肌に摩擦や刺激を与えないようにすること
コットンは、ゆっくりと優しく肌の上を滑らせるように使うのがコツです。
手で化粧水をつける場合のやり方
化粧水の適量は500円玉大と書きましたが、500円玉大を一度に手のひらに出すと、つけるときに手のひらからこぼれたり、肌に化粧水が余ったりすることがあります。
500円玉大というのは、「一回の保湿で使用する合計量」の目安。
実際に肌につけるときには、500円玉大の化粧水を2~3回に分けてつけていくと、うまく肌になじませることができますよ。
- 手のひらに500円玉の1/2(もしくは1/3)の量を出す。
- 両手のひらで化粧水を温める。
- 手のひらに化粧水を広げたら、ゆっくり肌に押し当てるようにしてなじませる。
- 目の周りや口元、小鼻の横などは指先を使って、優しく化粧水をつけていく。
- 最後に手のひらを肌にゆっくり押し当てるようにして、化粧水を肌になじませる。
この方法でつけると、化粧水がこぼれたり、手に残ったりすることなく、しっかりと肌に化粧水が浸透します。
2回から3回に分けて化粧水をつけた後、手のひらを肌に押し当てたときに、頬がひんやりして手のひらに吸い付くような感触になったら、化粧水が十分に肌に浸透したサイン。
手のひらで注意深く肌の状態を確認してみてくださいね。
化粧水の量の見極め方
500円玉大の量はあくまで目安の量。
上で紹介した方法で500円玉大の化粧水をつけ終わったときに化粧水が足りない、もしくは多いということもあります。
以下のような場合は化粧水の量を調整してみましょう。
- 化粧水をつけた後に、化粧水が肌に残っている→化粧水の量を500円玉大より少し減らす
- 化粧水をつけた後もまだ肌が吸い付く感じがない→化粧水の量を500円玉大より少し増やす
また、化粧水を2、3回に分けてつけても肌になかなか浸透しない場合で、肌にごわつきがあるときは、肌に古くなった角質が残っているかもしれません。
その場合は、拭き取り化粧水を使うか、ピーリングを行うなどして古くなった角質を取り除くと、化粧水の浸透が良くなる可能性があるので試してみると良いでしょう。
化粧水をつける回数
皆さんは化粧水を1日に何回つけていますか?
化粧水は洗顔後に使用するので、朝晩の洗顔後「1日2回」という方が多いのでは。
中には肌の乾燥を防ぐために、日中にも化粧水を使っている方や、メイクの上からミスト化粧水などを使って1日に数回化粧水をつけている、という方もいるかもしれませんね。
ミスト化粧水は、メイクの上からササッと使うことができるのでとても手軽なアイテムですが、化粧水をつけただけでは、肌はすぐに乾燥してしまいます。
また、日中にメイクの上から化粧水をつけても、実際には乳液やクリーム、ファンデーションなどのベースメイクに含まれる油性成分が水分を弾くので、ほとんど肌に浸透することができません。それに、少しの化粧水が浸透できたとしても、その後に水分の蒸発を防ぐ油性成分を補わなければ、「過乾燥」を起こし、かえって肌が乾燥することもあるのです。
そのため、基本的に化粧水を使うのは、朝晩の洗顔後の2回で十分だと言えるでしょう。
どうしても日中の乾燥が気になる、という場合は、朝のメイク前の保湿に保湿成分を豊富に配合した美容液を追加するか、保湿効果の高いクリームや化粧下地を使用するのがおすすめです。
また、日中にメイクの上から保湿したい、という場合は、水分が多いミスト化粧水よりは、油分を含んだ乳液や「保湿スティック」と呼ばれる、スティックタイプ保湿剤がおすすめです。
化粧水の効果的な使い方
日々のスキンケアでの化粧水の使用量は一回500円玉大くらい、洗顔後の1日2回使用すれば十分だということがわかってもらえたでしょうか?
ここでは、スペシャルケアとして、日々のスキンケア以外に化粧水を効果的に使う方法も紹介します。
フェイスマスクを利用した集中パック
肌の乾燥が気になる方は、ふだんのスキンケアに加えて、「コインマスク」や「ローションシート」などと呼ばれる、化粧水を染み込ませて使うタイプのフェイスマスクを使って、お手持ちの化粧水を使った集中パックをするのがおすすめです。
集中パックを行う際は、肌に乗せている時間が長すぎると、シートが乾燥して肌に過乾燥が起こるため注意しましょう。
5分ほど置いてシートがまだしっとりと湿っているうちにはがします。はがした後は、すみやかに乳液やクリームで保湿を完了させるのをお忘れなく。
美顔器を使用してイオン導入
イオン導入とは、美容成分がイオン化する性質を利用して、成分の肌への浸透を高める方法で、微小電流を流すことができる美顔器などを利用して行います。
イオン導入に適しているのは、水溶性ビタミンC誘導体やアミノ酸など、水に溶けるとマイナスイオン化しやすい成分を配合した化粧水。
イオン導入は、エイジングケアなどで、化粧水に高い効果が欲しい場合におすすめの方法です。
化粧水を使う際の注意点
化粧水の適量や、正しいつけ方がわかっていただけたでしょうか。
最後に、化粧水の効果を十分に発揮するための注意点を紹介します。
洗顔後は速やかに化粧水を使用する
洗顔後、特に入浴後は体温が上がっているために、肌をタオルで拭いたまま放置していると、肌がどんどん乾燥していきます。
洗顔後は、なるべく早く化粧水をつけ、過乾燥が起きないように気をつけましょう。
化粧水をつけた後は、必ず乳液やクリームで蓋をする
上でも紹介したように、化粧水は保湿の過程の一部でしかありません。
化粧水で水分や保湿成分を与えた後には、必ず、油性成分を含んだ乳液やクリームで水分の蒸発を防ぎましょう。
乳液やクリームも化粧水同様、塗りすぎると肌トラブルの原因となることも。
添付の説明書にある使用量を守って使用するようにしましょう。
冷暗所に保管し、開封後は1ヶ月を目安に使う
ほとんどの化粧水には防腐剤が配合されているために、常温で保管しても化粧水が腐るということはありません。
それでも、化粧水のビンを開け閉めする際や、化粧水を手にとる際に雑菌が入り込み、室温が高いと化粧水の中で細菌が増殖することがあります。
開封後は日光の当たらない冷暗所に保管し、1ヶ月をめどに使うようにしましょう。
化粧水が余ってしまう、という場合は、首やデコルテ、腕などにも化粧水を使用するといいですよ。
化粧水はつけすぎないで適量を!
化粧水のつけすぎや乳液、クリームの塗りすぎなど、スキンケアは「美しくなりたい」という気持ちからついつい過度になりがち。
でも、肌の健康の面から考えると、スキンケア化粧品には「適量」があることを忘れないでくださいね。
化粧水は、多くの方が使うスキンケアに欠かせないアイテムなので、どうせ毎日使うなら賢く使いたいですよね。
化粧水の適量を知るカギは、「手のひらの感触」にあります。あなたの肌はあなたが一番よく知っているはず。毎日のスキンケアで肌の状態をしっかりチェックして、化粧水のつけすぎを防いでくださいね。