
ほうれい線を消す「舌回し」(ベロ回し)は、美容サイトやメディアに取り上げられることが多い人気のエクササイズです。
簡単にできて高い効果が期待できるならば試してみたいと思いますよね。
ただ一方で、ネット上の口コミを見ると「舌回しはほうれい線に逆効果」と感じる方がいるため、舌回しが本当にほうれい線に効果があるのかどうか、疑問に感じている方もいるでしょう。
本記事では、舌回しでほうれい線にどんな効果があるのかを検証するために7日間の実験を行い、舌回しによるほうれい線への効果・逆効果の理由を詳しく解説していきます。
舌回しがほうれい線に効果的な理由
舌回しは、歯科医が考案した舌を回して顔の筋肉を鍛える運動です。
顔の筋肉「表情筋」は、日常生活で30%程度しか使われていませんが、あまり動かさない筋肉を舌回しで効果的に動かし、たるんだ「表情筋」にアプローチして鍛えることでほうれい線への効果を発揮します。
ほうれい線を作る表情筋のたるみにアプローチ
ほうれい線は「シワ」の一種だと思われていますが、頬の筋肉と口との境界線に現れる溝のことです。
顔の筋肉「表情筋」の衰えや肌のハリや弾力不足による頬のたるみが重力によって引き下げられ、ほうれい線となり深く刻まれていきます。
ほうれい線に関わる表情筋は、口輪筋、大頬骨筋、小頬骨筋の3つです。
- 口輪筋・・・口唇周囲の筋肉で、口を閉じる、前方にとがらせる筋肉
- 大頬骨筋・・・口角を引き上げる。口を大きく開ける、笑う時に前方に使う筋肉
- 小頬骨筋・・・上唇を斜め上へと引き上げる働きをする筋肉
舌は、上下左右に動かすことができる舌筋(ぜっきん)と呼ばれる筋肉で、ほうれい線に関わる表情筋とつながっています。
ぐるぐると舌を回すと、口輪筋、大頬骨筋、小頬骨筋にバランスよくアプローチできるので、表情筋が鍛えられ頬のたるみが引き上げられていきます。
舌回しをするとほうれい線が消えるのは、表情筋の衰えによるたるみにアプローチして、口の中から表情筋を鍛えることができるからなのです。
口の中からリンパを流して肌の弾力をアップ
舌回しには、表情筋を鍛えるだけでなく、リンパの流れや血行を整える効果があります。
リンパは、指先から頭まで全身に広がり張り巡らされていますが、顔から上には全身の25%にあたる200個のリンパが集中しています。
顔のリンパは細部まで広がっているため、手によるリンパマッサージで刺激するのは難しい部分がありますが、口の中からアプローチする舌回しなら、細かなリンパ節を刺激することができるのです。
リンパを刺激すると、滞っていた老廃物や水分が流れやすくなって「むくみ」が取れるので、むくみによるほうれい線ができにくくなるのです。
リンパの流れが整うと血行がよくなり、肌の新陳代謝がアップします。
肌の代謝が良くなると、シミ・くすみ・青クマが解消されて肌色が明るくなり、肌のハリやツヤ、弾力がアップするので肌のたるみも気になりにくくなりますよ。
【7日間検証】舌回しは本当に効果があるのか
舌回しは、ほうれい線を消す効果が期待できるエクササイズですが、実際にどのくらい続ければほうれい線が目立たなくなるのでしょうか。
舌回しエクササイズのほうれい線への効果を検証するために、筆者が7日間の実験に挑戦。
実際に舌回しエクササイズを7日間してみての、筆者の所感を5段階で評価してみました。
部位別 | 5段階で評価 |
ほうれい線の引き上げ効果 | |
口角の引き上げ効果 | |
むくみ・二重あごのリフトアップ効果 | |
エクササイズの続けやすさ |

舌回しがほうれい線に逆効果といわれる理由
舌回しエクササイズをしても、ほうれい線の状態が変わらないと感じる方、舌回しでほうれい線が濃くなったという方はいくつかの理由が考えられます。
- 舌回しのやり方が間違っている
- ほうれい線ができる原因は一つではない
- 舌回しのやりすぎによるほうれい線の悪化
改善されない理由を詳しく解説していきます。
理由1|間違ったやり方をしている
舌回しは、普段使わない表情筋を動かすので、慣れない間は口の周りに疲労感を感じます。
舌回しを続けることで、疲労感は軽減されていきますが、いつまでも痛みが続く場合はやり方が間違っている可能性があります。
また、早くほうれい線を消したいからと舌回しを無理に続けたり、回数を増やしたりするのはおすすめできません。
痛みがなくても、舌回しの基本の回数を超える場合は、自分のペースで回数を決めて、ゆっくりと舌を回すことを心がけましょう。
- 速く回し過ぎない
- 左右同じ回数を回す
- しっかりと歯茎に沿って、大きく舌を回す
速く回し過ぎない
リンパはとてもゆっくりと流れるため、舌回しの速度が速すぎると老廃物を流すことができずリンパの滞りは解消されません。
ほうれい線を舌で押し伸ばすように、1周あたり2秒かけてゆっくりと舌回しをしましょう。
左右同じ回数を回す
舌回しは左右同じ回数を続けるのが基本です。
どちらか一方を多く続けると顔が歪み、ほうれい線の引き上げがアンバランスで逆効果になってしまいます。
噛みグセがある、左右どちらかの肩こりがひどいなど、何かの理由がある場合はどちらかを多めにしても大丈夫なのですが、必ず鏡でチェックして引き上げ効果を確認しながら左右のバランスをチェックして舌回しを行いましょう。
しっかりと歯茎に沿って、大きく舌を回す
舌回しは、歯茎に沿って大きく回して口の中から表情筋にアプローチするので、大きく回さないと表情筋をバランスよく鍛えることができません。
舌を速く回そうとすると、舌を歯で傷つけやすく、唇の周りの口輪筋のみにアプローチするため、ほうれい線を引き上げる小頬骨筋、大頬骨筋への効果が期待できません。
理由2|肌のたるみ以外の原因からできたほうれい線
ほうれい線ができる原因は一つだけではないのです。
表情筋の衰え、肌の弾力不足の他にも、乾燥、紫外線によるダメージ、食生活や生活習慣の乱れ、肩こり、急激なダイエットなどが挙げられます。
舌回しが効果を発揮するのは、表情筋や皮膚、脂肪が原因となって現れる肌のたるみによるほうれい線です。
舌回しでほうれい線への効果が得られない場合は、何か他の原因がないか見直してみましょう。
理由3|過剰な舌回しエクササイズ
舌回しが逆効果になる理由の一つにエクササイズのやりすぎが挙げられます。
舌回しは即効性があるので、リフトアップ効果やほうれい線が目立たなくなると嬉しくなって、ついやり過ぎてしまいがちです。
表情筋は筋肉なので、やりすぎると咬筋(こうきん)という筋肉が発達してエラが張る原因になります。
また、舌回しは噛み合わせを改善する効果があるため、過剰に行うと噛み合わせが逆に悪くなる可能性があります。顎関節症を引き起こす原因にもなるので、舌回しのやりすぎには注意しましょう。
舌回しによって得られるリンパの流れの促進や噛み合わせの変化などは、病気や疾患を抱えている方、妊娠中の方にとっては、良くない影響を及ぼす場合があるので、次に当てはまる方は気をつけるようにしましょう。
- リンパ系の病気がある方
- 肩や首のコリがひどい方
- 顎関節症の方
- 妊娠中の方
当てはまる項目がある方は独断で舌回しをせず、医師や専門家に相談することをおすすめします。
逆効果にならない舌回しの正しいやり方
舌回しを行う時は、逆効果にならないよう正しいやり方をマスターしましょう。
おすすめする2つの方法は、歯科医考案の舌回しでどちらもほうれい線の引き上げ効果が期待できるエクササイズです。
初心者向け|小出式舌回し体操
「舌回し(歯ぐきなぞり)体操」は、舌回しの考案者ともいわれる日本歯科大学教授・小出馨先生がすすめるエクササイズです。
上下左右に動かせる舌の動きを利用して表情筋を刺激し、リンパをマッサージしながらほうれい線にアプローチします。
「舌回し(歯ぐきなぞり)体操」のやり方
- 口を閉じて、舌の先で歯ぐきの表側をなぞるように、舌をぐるりと回す
- 右回りを10回、左回りを10回行う
- 歯ぐきなぞりは、右回し20回、左回し20回が理想ですが、慣れるまでは無理をせず5回から始める
- 顎を少し上に向けて目を見開き、唇をしっかりと閉めて行う
- 舌回しに慣れてきたら、効果をチェックしながら50回程度までは増やしてもOK
ただし、やり過ぎる逆効果になる場合があるので注意する
上級者向け|宝田式舌回ししエクササイズ
「宝田式舌回しエクササイズ」は、歯科医で日本アンチエイジング歯科学会理事の宝田恭子先生が考案したエクササイズで、舌を回してほうれい線にアプローチしながら、眼を一緒に回して、口と目の周りの筋肉を鍛えるエクササイズです。
口周りの筋肉「口輪筋」と眼の周りの筋肉「眼輪筋」は、さまざまな表情筋につながっています。
舌まわしをしながら目を一緒に回すと、ほうれい線だけでなく目の周りやおでこのたるみを引き上げる効果や、目元がぱっちりとする美容効果が期待できます。
舌回しエクササイズの正しいやり方を解説
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「宝田式舌回しエクササイズ」のやり方
- 舌の先でゴリラのように歯ぐきの表側をなぞるように、ぐるりと右側に大きく回す。
この時、目も右側にぐるりと回す。3回行う。 - 同じように、左回りを3回行う。
- 舌や眼球を大きくゆっくり動かすと口元や目元がかなり疲れるので、疲れたら休んで首筋をマッサージしてクールダウンする。
- ほうれい線が気になる部分はしっかりと舌で押し伸ばして数秒止め、ほうれい線を伸ばすように回す
舌回しはほうれい線以外にも美容効果あり
舌回しには、ほうれい線を引き上げるだけではなく、さまざまな美容効果や健康効果が期待できます。
舌回しに期待できる美容効果 |
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まとめ
舌回しは、誰にでもできる舌を回すだけの簡単なエクササイズなので、今すぐ始められます。
慣れない間は、舌回しをすると口元や顎に疲労感を感じる方が多いと思いますが、無理をせず少しずつ回数を増やしていきましょう。
舌回しの効果を高めるためのポイントをまとめます。
- 正しいやり方でゆっくりと大きく舌を回す
- 逆効果にならないよう、やりすぎに気をつける
正しいやり方で舌回しを行えば、ほうれい線の目立たない若々しいフェイスラインを手に入れることも夢ではありません。
逆効果にならないようにほうれい線の引き上げ効果を確認しながら、楽しく舌回しエクササイズを続けてくださいね。
初日は舌を3度回すだけでもやっとで、舌のつけ根やあごの辺りに痛みがありましたが、3日目くらいから慣れてきたのか10回ほど回せるようになりました。
7日間を過ぎしても、舌を回すたびに疲れるので効き目があるのだなと感じています。
7日間ではほうれい線が引き上がるまでの効果は感じませんでしたが、むくみには即効性を感じました。