
日々のスキンケアに欠かせない化粧水ですが、「化粧水は開封後どのくらい持つのかしら?」と気になったことはありませんか?
また、なかなか減らない化粧水があると、「長く使っているけれど大丈夫?」と心配になることもありますよね。
食品や医薬品などには使用期限がありますが、化粧水にも使用期限があるのでしょうか。
実は、化粧水には使用期限があり、開封前と開封後では期間が異なります。
また、使用期限を過ぎた化粧水や、劣化して変質した化粧水を使うと、肌に悪影響を与えることにもなりかねないので、よく注意すべきポイントなのです。
肌を健康に保つために、本記事では化粧水の使用期限や保管方法について詳しく解説します。
目次
化粧水には使用期限がある?
化粧水は洗顔後の素肌に直接つけるものだから、肌にとって安全な状態で使いたいですよね。
化粧水の使用期限といわれても、ふだんは気にしたことがないという方も多いかもしれません。
化粧水を安全に使うためにも、使用期限についてぜひ知っておきましょう。
記載はないが開封前の使用期限は3年
食品や医薬品などには、パッケージや箱などに使用期限の印字がされていますよね。
食品と違って、化粧水を買うときに使用期限を見てから買うという方は少ないかも知れませんが、実は化粧水には使用期限の記載がないことがほとんど。
その理由は、化粧品の品質や安全性を規制する法律にあります。
化粧水は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(※以下、本記事内では通称である「薬機法」と記載)にも基づいて、製造販売されています。
薬機法における、使用期限の表示について見てみましょう。
- 使用の期限を記載しなければならない化粧品(以下のアおよびイ)
ア アスコルビン酸、そのエステル若しくはそれらの塩類又は酵素を含有する化粧品
イ 前号に揚げるもののほか、製造又は輸入後適切な保存条件のもとで3年以内に性状及び品質が変化するおそれのある化粧品 - 「製造又は輸入後適切な保存条件のもとで3年を超えて性状及び品質が安定な化粧品」においては使用期限表示の対象から除外されている
使用期限の記載が必要な化粧水は、アスコルビン酸(ビタミンC)および脂溶性ビタミンCや酵素などを配合した化粧品のみ。
それ以外の化粧品は、「適切な保存状態のものとで3年以内に品質が変わらないものは使用期限の記載の必要がない」とされています。
ほとんどの化粧品は、3年間は品質が変わらないように作られているので、使用期限を表示する必要がないということがわかっていただけたでしょうか。
つまり、薬機法の文言から、記載の義務がない化粧水は、適切に保存すれば「使用期限3年」と考えてよいということです。
ただし、3年間というのは、あくまで「開封前の化粧水」の話。
「開封後の化粧水」は3年という使用期限が当てはまらないので、注意してくださいね。
使用期限の表示の必要がある化粧水もある
厚生省告示第166号によると「アスコルビン酸、そのエステル若しくはそれらの塩類と酵素」を配合した化粧水は、使用期限を記載しなければならないとされています。
「アスコルビン酸、そのエステルもしくはそれらの塩類」というのは、耳慣れない言葉ですが、化粧品の成分でいうと「ビタミンC誘導体」にあたります。
つまり、ビタミンC誘導体や酵素など、変質しやすい成分を配合した化粧水は、使用期限の表示をするように通知されているということ。
使用期限はメーカーや商品によって異なりますが、1か月から6か月くらいを使用期限としている場合が多いようです。
化粧水の製造年月日を知る方法は?
開封前の化粧水の使用期限が3年、ということがわかりましたね。
しかし3年というのは「開封日から3年」なのか「購入日から3年」なのか「製造日から3年」なのか、いつを起点にすればよいのか迷ってしまいますよね。
正しくは「製造日から3年」なのですが、実は、化粧水の製造年月日は記載されていないことがほとんどなのです。
では、一体どうやって3年という使用期限を把握すればよいのでしょうか?
1、ドラッグストアや公式サイトで購入した化粧水
ドラッグストアで販売されている化粧水や、メーカーの公式サイトなどで販売されている化粧水は、きちんと在庫管理がされています。
このことから、ドラッグストアや公式サイトで購入した化粧水は、製造されてから長い日数は経過していないと考えられるため、使用期限はおよそ3年としても問題ないでしょう。
2、購入後時間が経っている・人からもらった化粧水
注意が必要なのが、購入してからしばらく開封していなかった化粧水を使うときや、人からもらった化粧水を使う場合など。
購入した日がわからないと、3年という使用期限内であるかどうか不安になりますよね。
薬機法では、使用期限と同じく化粧水の製造年月日は記載の義務がありません。
どうしても化粧水の製造年月日を知りたいという場合は、各化粧品メーカーのお客様相談窓口まで問い合わせてみましょう。

開封後の化粧水の使用期限は?
開封前の化粧水の使用期限が3年であることがわかりましたが、皆さんが一番気になるのは、開封したあとの化粧水の使用期限ですよね。
化粧水は人によって使用する量が異なりますが、容量の多いものだと、3か月から半年くらいは十分にもつ場合もあり、「長く使っていて大丈夫かしら」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
開封後の化粧水の使用期限について詳しく確認していきましょう。
開封後の化粧水は「なるべく早く」使用する
開封後の化粧水の使用期限については、薬機法では表示を義務付けられていません。
そのため、各メーカーとも具体的な数字は表示していないことがほとんどです。
そのかわり、商品のパッケージを見ると「開封後はなるべく早めにご使用ください」と表示してある場合がほとんどです。
でも、「なるべく早め」という表現は、どのくらいの期間を指しているのかわかりづらいですよね。
「なるべく早く」という化粧水の使い切りの目安について、具体的にどのくらいの期間を指しているのか、各化粧水メーカーのHPを調べてみました。
開封後の化粧水の使い切りの目安(各メーカーHPより)メーカー名 | 開封後の使い切りの目安 |
なるべく早く | |
できる限り早く | |
できるだけ早く | |
なるべく早く | |
3か月を目安に | |
2年 |
「なるべく早く」とだけ記載しているメーカーが多いですが、具体的な期間を挙げているメーカーもありました。
多くの場合、3か月もしくはワンシーズンでの使い切りを推奨しているようですね。
開封後の使用期限が記載されている化粧水も
ビタミンC誘導体など変質しやすい成分を配合した化粧水などは、「開封後は1か月をめどに使い切るように」と、開封後の使用期限を明記している場合もあります。
また無添加化粧水などで、防腐剤を使用していない化粧水なども、使い切る目安を表示していることがあるので、使用期限の記載がある場合は指示に従うようにしましょう。
化粧水のサンプル(試供品)の使用期限は?
化粧水は人によっては肌に合わないこともあるので、「使用前にはサンプルをもらって試している」という方も多いですよね。サンプルに関しても、基本的には開封前の使用期限の期限は3年と考えていいでしょう。
ただし、サンプルはすぐに使わなかった場合、いつもらったかわからなくなることがありますよね。
正規の商品なら製造番号などから製造年月日がわかる可能性もありますが、サンプルの場合は製造年月日を知ることはほぼ不可能です。
そのためサンプルは「もらったら早めに使う」ことを心がけてください。
また、サンプルの場合は、パウチのように一度開封すると蓋をすることができないものが多くあります。
蓋ができないサンプルは、衛生面から一回で使い切るようにしましょう。
ミニボトルなども、通常の製品よりは容量が少ない分、雑菌が繁殖しやすいので早めに使い切ることをおすすめします。
手作り化粧水の使用期限は?
手作り化粧水で防腐剤を使用していない場合は、1週間から10日を目安に使い切るようにしましょう。
手作り化粧水は、成分の調合の際などに雑菌などが混入することもあるので、雑菌の繁殖を防ぐため冷蔵庫での保管をおすすめします。
化粧水以外の化粧品の使用期限は?
化粧水だけでなく、乳液やクリームなどのスキンケア化粧品、メイクアップ化粧品なども使用期限や使い切りの目安があります。
開封前に関しては、化粧水と同じくすべての化粧品が3年という使用期限になっています。
化粧水以外の化粧品の開封後の使い切りの目安は以下のとおりです。
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あくまで目安なので、使用中に異臭や変質などが見られた場合はすみやかに使用を中止するようにしてください。
化粧水の劣化の見極め方
開封後の化粧水は「できるだけ早く」使用することが大切です。
そのうえで、多くのメーカーが使用にあたって「変な匂いがしないか」「分離していないか」など、化粧水の状態をチェックするように注意喚起をしています。
開封後の化粧水は、人によって保管状況や使用法が異なります。
正しい方法で化粧水を保管・使用していないと、雑菌が入ったり温度が上昇したりして保管の環境が悪くなり、化粧水の劣化が早く進むことがあるのです。
「化粧水をずいぶん長く使っているけれど、大丈夫かしら…」と不安な場合は、下記に化粧水が変質、劣化していないかどうかを見極める手順を紹介しますので、自分でチェックしてみてくださいね。
化粧水の劣化を見極める手順
化粧水の劣化は、視覚、触覚、嗅覚とあなたの感覚をフルに使って見極めます。次に紹介する手順で、化粧水をじっくりと調べてみましょう。
1.見た目をチェック
まずは、化粧水の見た目を観察してみます。
化粧水のビンが透明なら、光に透かしてみて、以下のような変化がないかをチェックしましょう。
- 成分が分離している
- 化粧水の中に「モロモロ」とした物体が浮かんでいる
- 透明だった化粧水が濁っている
ビンが透明でない場合は、ガラスのコップなどに出して見た目をチェックするとわかりやすいですよ。
2.テクスチャーをチェック
見た目に問題がなければ、実際に手にとって化粧水の状態を確認します。
さらっとしていた化粧水にとろみが出ていたり、粘り気などが生じていたりしないかをチェック。
手に触れたときに、ざらつきなどが生じるのも成分が変質しているサインです。
3.結晶化をチェック
化粧水の成分の中には、低温などが原因で結晶化する成分があります。
結晶化が起こりやすい場所は、キャップの内側と出し口なので、白や透明の粒や塊ができていないかをときどき確認しましょう。
結晶化した成分は、化粧水を取り出す際に化粧水に混ざり、肌を傷つける可能性があります。結晶化が見られた化粧水は使用を控えるようにしてくださいね。
4.匂いをチェック
次に、手のひらに出した化粧水の匂いを嗅いでみます。
無香料のものなら、若干成分の匂いがするかも知れませんが問題ありません。
いわゆる異臭(酸っぱいような匂いや鼻につくような匂い)がしないかを確認します。

しばらく使っていなかった化粧水を使う場合など、どうしても心配な場合はさらにパッチテストを行うことをおすすめします。
- お風呂上がりに腕の内側などの目立たない場所に化粧水を少量つける。
- そのまま15分ほど放置して、赤みやかゆみが出ないかをチェック。
- 問題なければ、絆創膏などでカバーして、さらに24時間後に肌の状態に問題がないか確認する。
何気なく使用している化粧水ですが、安全な状態で使うためにも日頃から化粧水の状態を気にかけておくと、変化に気づきやすいですよ。
使用期限を過ぎた化粧水を使うリスク
使用期限は、化粧水を安定した品質で使うために定められていますが、化粧水は食品のように使用期限を過ぎるとすぐに腐ってしまうのでしょうか。
「開封前ならば、少しくらい使用期限を過ぎても大丈夫なのでは?」と思う方もいますよね。
使用期限を過ぎた化粧水を使った場合、具体的にどのようなリスクがあるのか、知っておきましょう。
1.肌への刺激になることがある
使用期限を過ぎた化粧水は、成分が劣化したり変質したりすることがあります。
本来は肌への刺激にならない成分でも、劣化や変質によって肌へ刺激を与えることがあり、肌に赤みやかゆみなどが生じる可能性があります。
特に、敏感肌の方や生理前の肌が敏感な時期などは、肌への刺激を感じやすいので注意しましょう。
2.シミなどの原因となることも
劣化したり変質したりした成分は肌への刺激となりますが、刺激のある化粧水をそのまま使い続けると、肌は自らを守るためにメラニン色素を作り出すことがあります。
肌で作られるメラニン色素が増えると、メラニンの排出が追いつかず、肌に残ってシミとなる場合があるので注意が必要です。
3.雑菌による炎症が起こる可能性も
開封後の化粧水の場合、日々のスキンケアの際に出し口に手や指が触れると、雑菌が混入することがあります。
通常は、化粧水に配合されている防腐剤などの働きで雑菌の繁殖は抑えられていますが、保管中の温度や湿度などの影響で雑菌が増殖してしまうことも…。
雑菌が増えた化粧水を肌に使うと、雑菌が毛穴に入って「毛のう炎」を起こしたり、ニキビの炎症を悪化させたりする可能性があります。
また、肌に比べて目は雑菌に弱いので、化粧水が目に入ると結膜炎などの目の炎症を引き起こすこともあるので注意が必要です。
化粧水は、使用期限を過ぎたらすぐに劣化し、変質するというわけではありませんが、使用期限を過ぎることで、安全性が保たれなくなるリスクが高まります。
肌を健康に保つためにも、化粧水は安心安全な状態で使用するようにしましょう。
化粧水の品質を保つ保管方法
化粧水の使用期限について解説しましたが、紹介した期限や使い切りの目安は、あくまで、「正しい方法で保管されている場合」に限ります。
保管方法を間違えば、使用期限内であっても化粧水が劣化したり、変質したりすることは十分にあるのです。
化粧水は食品ではないので、「そこまで厳密に保管方法に気をつけていなかった」という方も多いのではないでしょうか?
ぜひ一度、お手持ちの化粧水の保管方法を見直してみてくださいね。
1.直射日光と高温多湿を避ける
化粧水のパッケージに、「直射日光を避け、高温多湿になる場所を避けて保存する」と書いてあるのを目にしたことがある方は多いですよね。
直射日光に関しては、室内で保管しているので問題ないと考えられがちですが、注意したいのが窓際やベランダ脇。
化粧水を置いている場所が、窓やベランダに近いところだと、季節や時間帯によって、日光が部屋に当たることがあるので注意しましょう。
日光を避けるという意味で適しているのが、棚の中や引き出しの中です。
鏡台にそのまま置いているという方は、蓋のついたタイプのコスメケースなどに入れることをおすすめします。
また高温多湿というのは、室温35℃以上、湿度85%以上を指します。
通常の住宅内でいえば、お風呂場が高温多湿になることがあります。
「入浴後すぐに化粧水をつけるので、化粧水をお風呂場に置いている」という方も多いのでは?
高温多湿のお風呂場は化粧水の劣化を早めるので、脱衣所や洗面所に保管するようにしましょう。
2.冷蔵庫保管はしない
「化粧水を長持ちさせるため」「ひんやりした使用感が好き」という理由で、夏場などに化粧水を冷蔵庫で保管している、という方もいますよね?
実は、ほとんどの化粧水は常温保管を前提に作られているので、冷蔵庫での保管は温度が低すぎて化粧水に適していないのです。
化粧水によっては、冷やすことで成分が変質したり、浸透性が低くなったりということがあるので、冷蔵庫保管はおすすめしません。
また、冷蔵庫で冷やした化粧水をそのまま常温に置いたり、また冷蔵庫に入れたりといったことを繰り返すと、化粧水の温度変化が激しくなり、化粧水の劣化を早めてしまうので注意しましょう。
化粧水には「冷暗所で保管」という表示がある場合もあります。
冷暗所とは「日光が当たらない涼しい場所」という意味ですが、冷蔵庫を指しているのではありません。
冷蔵庫は温度が低すぎるために化粧水の保管に適してないので注意してくださいね。
3.蓋をしっかり閉めて保管する
化粧水は、酸化を防ぐためと、雑菌などの混入を防ぐために、蓋をしっかり閉めて保管しましょう。
化粧水を使った後は、出し口の部分をティッシュなどで拭いてから蓋を閉めると、雑菌がビンに入ったり、蓋付近に成分が固まって結晶化したりするのを防ぐことができます。
4.開封した日付を書いておく
化粧水はなるべく早く使うことが大切ですが、「いつから使い始めたのかがわからなくなった」ということはありませんか?
開封日がわからないと、使い切りの目安も把握することができませんよね。
化粧水を開封した日をボトルの底に書いておくと、いつまでに使い切ればよいのかわかるのでおすすめです。
化粧水は使用期限、使い切りの目安を守って安全に!
化粧水は開封してからは、使用期限がはっきりとは定められていません。
「できるだけ早く」使うことが一番大切ですが、保管の仕方や、化粧水の状態などにもふだんから気を配っておくことが必要です。
肌を健やかに保つために使う化粧水は、安全安心な状態で使いたいもの。
あなたの大切な肌を守るためにも、化粧水は使用期限や使い切りの目安を守って使用してくださいね。
※製造年月日の問い合わせに対応していないメーカーもあります。