
日焼けはシミやシワの原因となるので、できれば避けたいもの。
同じように日を浴びても「焼けやすい人」と「焼けにくい人」がいるのは事実ですが、「乾燥肌は焼けやすい」というのは本当なのでしょうか?
本記事では、乾燥肌が焼けやすい理由と乾燥肌に必要な紫外線対策について詳しく解説。
最後に乾燥肌向けの日焼け止めの選び方と、おすすめの日焼け止めを紹介します。
乾燥肌の方は必見ですよ!
乾燥肌は焼けやすいって本当?
日差しを浴びたときの「焼けやすさ」は、肌の色や肌質などの要因に影響を受けるといわれています。
「乾燥肌は焼けやすい」と噂を耳にすることがありますが、乾燥肌が焼けやすい理由はなぜなのでしょうか?
「焼けやすさ」に影響を与える要因
日焼けしやすいかどうかを左右する要因のひとつは、肌にあるメラニン色素の量。
メラニン色素というと、シミやそばかすの原因として悪いイメージがあるかもしれませんが、本来は紫外線を吸収して肌を守るという重要な働きを持っています。
色白の方はメラニンを生成できる量が少ないので、紫外線から肌を守る力が低く、日焼けしやすいのです。
逆に、肌がもともと黒い方は肌にあるメラニンの量が多いので、肌が白い方と比較すると、日焼けしにくいといえます。
また、肌にあるメラニンの量だけでなく、肌質も焼けやすさに影響を与えます。
肌質とは「普通肌」「乾燥肌」「脂性肌」といった肌の性質ですが、特に日焼けしやすいといわれているのが「乾燥肌」です。
乾燥肌は肌のバリア機能が低下している
乾燥肌とは「肌の水分量が少ない状態」を指します。
肌の水分を保つ働きをしているのは、肌の一番外側にある「角質層」と呼ばれる組織です。
角質層には、肌の水分を保つ働きをしている「細胞間脂質」「NMF(天然保湿因子)」「皮脂膜」の3つの保湿因子が備わっています。
上の図のように、角質細胞がきれいに並び、隙間を細胞間脂質がしっかりと埋めているとき、角質層は肌の水分を十分に保つことができます。
角質層は肌の水分を保つという働きだけではなく、私たちの肌を外部からの刺激(紫外線・摩擦・細菌など)から守るという働きも担っているのです。
「肌の水分を保つ」ことと「肌を外部の刺激から守る」こと、この2つの働きを「肌のバリア機能」といいます。
乾燥肌とは、加齢や間違ったスキンケアなどが原因で肌の保湿因子が減少し、角質層内に十分に水分が保たれていない状態です。
角質層に水分が少ない状態では、肌のバリア機能も十分に働かないのです。
乾燥肌は焼けやすい
肌のバリア機能が低下すると、肌内部に届く紫外線の量が増え、紫外線によるサンバーン(肌が赤く炎症を起こすこと)やサンタン(メラニンが生成されて肌が黒くなること)が起こりやすくなります。
サンバーンやサンタンが起こると、肌にメラニンが大量に生成されます。
肌で作られたメラニンは、通常は肌のターンオーバー(生まれ変わり)によって、排出され、肌は元の色に戻っていきます。
乾燥肌の方は、角質層が傷ついたり、厚くなっていたりするため、肌のターンオーバーがスムーズにおこなわれません。
肌のターンオーバーが乱れると、日焼けによって作られたメラニンが肌に溜まり、シミやそばかすができやすくなります。
焼けやすい乾燥肌の方は、「シミやそばかすなどもできやすい」ということを自覚して、しっかりと紫外線対策をすることが必要なのです。
乾燥肌の紫外線対策
では、乾燥肌の方は具体的にどのような紫外線対策を行えば良いのでしょうか?
効果的な紫外線対策のポイントを紹介します。
日焼け止めの前にしっかりと保湿
紫外線対策として欠かせないのが日焼け止め。
乾燥肌の方も「日焼け止めはふだんから使っている」という方は多いですよね。
乾燥肌の方は日焼け止めを使うのは必須ですが、その前に肌をしっかりと保湿しておく必要があります。
乾燥肌の方は角質層内の水分が失われ、肌のバリア機能が落ちています。
肌を保湿して、角質層の水分を保つ働きを補ってあげることで、肌のバリア機能サポートすることができます。
また、乾燥肌の方は、日焼け止めに含まれている成分に刺激を感じるという方もいるのではないでしょうか。
毎日のスキンケアで肌の保湿をしっかりしておくと、健やかな肌状態を維持できるので、日焼け止めに配合されている成分の刺激から肌を守ることができるのです。
乾燥肌の方は、日焼け止めを塗る前に肌の状態を確認し、化粧水や乳液で肌を保湿してから、日焼け止めを塗るようにしましょう。
日焼け止めは適切な量を使う
皆さんは、ふだんどのくらいの量の日焼け止めを使っていますか?
日焼け止めには具体的な使用量が記されていないことが多いので、なんとなく適当な量を塗っている方も多いのではないでしょうか。
実は、日焼け止めには顔全体に使うときに適切な量として定められた量があるんです。
皮膚1㎠あたり、2mgの日焼け止め
正しい量を顔全体の面積で計算してみると、約0.8g=500円玉大となります。
実際に手のひらに乗せてみると、かなり多めの量だと感じますよね。
ですが、乾燥肌の方は焼けやすいので、日焼け止めの効果をしっかりと発揮させるためにも、正しい量を使用するようにしましょう。
日焼け止めは一定時間ごとに塗り直す
日焼け止めを塗っていても、時間が経つと汗や摩擦などで少しずつ落ちていきます。
また、紫外線吸収剤を配合したタイプの日焼け止めは、時間が経つと紫外線と化学反応を起こす成分が消費されてしまうので、日焼け止め効果が徐々に落ちていきます。
日焼け止めは、2~3時間を目安に塗り直すのが理想です。
乾燥肌の方は焼けやすいので、塗り直しを忘れないようにすることが大切ですよ。
一年を通じて紫外線対策をする
燥肌の方は、冬になるとさらに乾燥がひどくなる方も多いのではないでしょうか?
乾燥肌が悪化する冬は、肌のバリア機能もさらに低下します。
日焼けは、春や夏など日差しの強い時期に起こるイメージがあるかもしれませんが、冬でも紫外線は地表に降り注いでいます。
乾燥肌の方は、冬こそしっかりと紫外線対策を忘れずに、毎日肌にやさしい日焼け止めを使用することが必要です。
また、私たちは外出時だけでなく、室内や電車、車の中でも窓越しに紫外線を浴びています。
乾燥肌の方は焼けやすいので、屋外にいる時間が少なくても、基本的に毎日紫外線対策をするようにしましょう。
物理的に紫外線を防ぐ工夫も
紫外線対策としては、日焼け止めだけでなく、日傘や帽子、手袋などを利用して物理的に紫外線を防ぐ工夫も必要です。
室内に入ってくる紫外線を防ぐには、UVカット効果のあるカーテンを使う、すだれや日よけシェードを設置するといった方法もあります。
日焼け止めと紫外線防止グッズを組み合わせて、効果的に紫外線から肌を守るようにしましょう。
乾燥肌の日焼け止めの選び方
乾燥肌の方は焼けやすい反面、「日焼け止めの成分に刺激を感じる」「日焼け止めでカサつく」と感じる方も多いのではないでしょうか。
肌のバリア機能が低下している乾燥肌の方は、日焼け止めの成分に刺激を感じやすくなっているので、肌に負担の少ない日焼け止めを選ぶことが必要です。
ここからはそんな乾燥肌の方が、日焼け止めを選ぶ際のポイントを解説します。
保湿成分を配合したものを選ぶ
乾燥肌の方は、日焼け止めを塗る前にしっかり保湿することが大切ですが、もちろん日焼け止め自体も保湿効果の高いものを選ぶのがベスト。
以下のような保湿成分を配合した日焼け止めが、保湿効果が高いのでおすすめです。
- セラミド
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- アミノ酸
- リピジュア
- スクワラン
- ホホバ油
日焼け止めにはローション、ジェル、乳液、クリームなどさまざまタイプがあります。
この中では、乳液もしくはクリームタイプが油性の保湿成分を多く含み、肌の乾燥が起こりにくいので、乾燥肌の方におすすめです。
適度なSPF値、PA値のものを選ぶ
日焼け止めには日焼け止めの効果の強さを表すSPFおよびPA値が表示されています。
SPF | UV-Bの防止効果を表す値。肌が赤く炎症を起こすサンバーンが起こるまでの時間を何倍に伸ばせるかを数値で表示。 |
PA | UV-Aを浴びてから2~24時間以内に起こる、即時黒化(肌にあるメラニンを酸化させること)をどれくらい防ぐ効果があるかを表したもの。 |
乾燥肌は焼けやすいからといって、日常的にSPF50・PA++++くらいの効果の高い日焼け止めを使っていませんか?
一般に、数値の高い日焼け止めは紫外線吸収剤などの成分の濃度が高く、肌への刺激も強くなりがちです。
また、数値の高い日焼け止めの多くは、洗顔料やお湯などでは落とすことができず、クレンジングが必要となるものが多く、クレンジング料に選び方によっては肌に負担をかかりやすくなります。
そうすると、日焼け止めが肌への刺激となったり、クレンジングで肌に負担をかけたりすると、乾燥肌が進行して、さらに焼けやすい肌になってしまうのです。
日焼け止めは使用シーンに合わせて選択を!
また、日焼け止めは、使用するシーンに合った強さのものを使うことが大切。
買い物やお出かけなど、屋外での活動が短時間なら、SPF20、PA++くらいの日焼け止めで十分紫外線を防げます。
屋外でのスポーツやレジャーなど長時間紫外線を浴びる場合は、SPF50・PA++++くらいの高い数値の日焼け止めがおすすめです。
敏感肌には刺激の少ない日焼け止めを選ぶ
乾燥肌が進行すると「敏感肌」と呼ばれる状態になる場合があります。
敏感肌とは、肌のバリア機能が著しく低下し、外部からの刺激に対して、肌が炎症などの反応を起こしやすくなっている状態です。
敏感肌の方は「日焼け止めを使うとヒリヒリする」「日焼け止めで肌がカサつく」と感じることも多いのではないでしょうか。
ヒリヒリやカサカサは日焼け止めが肌への刺激となっている証拠。
乾燥肌が進み敏感肌になっている方は、なるべく刺激の少ない日焼け止めを選びたいですよね。
日焼け止めに配合されているUVカット成分は、大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があります。
紫外線吸収剤を使用した日焼け止めは、成分が肌への刺激となることがあるので、乾燥肌の方は、紫外線散乱剤を使用したタイプ(ノンケミカル)の日焼け止めを選ぶようにしましょう。
乾燥肌におすすめの日焼け止め 4選
日焼け止めはドラッグストアやネット通販などで数多く販売されているので、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
上で紹介した、乾燥肌の日焼け止めの選び方のポイントを基準にして選んだ、おすすめの日焼け止めを4点紹介します。
ノブ UVミルクEX
35g 2,160円(税込)
- 紫外線吸収剤不使用で乾燥肌に優しい
- お湯で落とせるので肌への負担が少ない
- 保湿成分「ヒアルロン酸Na」「スクワラン」を配合
敏感肌向け化粧品ブランドとして人気のノブ(NOV)。
お湯で落とせるタイプなので、クレンジングの負担がなく、焼けやすい乾燥肌の方が毎日使う日焼け止めにぴったりです。
伸びがよく肌への閉塞感もないので、お子様や男性にもおすすめ。
無香料、無着色、光アレルギーテスト、ノンコメドジェニックテスト済みと、低刺激性にこだわっているので、敏感肌の方でも刺激を感じにくい使い心地ですよ。
ポーラ ホワイティシモ UVブロック ミルキーフルイド
50g 3,780円(税込)
- 紫外線吸収剤不使用で乾燥肌や敏感肌におすすめ
- 美白成分「ビタミンC誘導体」配合で、日焼け後のメラニンの生成を防ぐ
- 保湿成分「メリッサエキス」「アキレアエキス」「クジンエキスクリア」を配合して肌の乾燥を防ぐ
ポーラ ホワイティシモ UVブロック ミルキーフルイドは、肌へのやさしさにとことんこだわった日焼け止めです。
美白成分を配合しているので、日焼け後のシミ・ソバカスの予防効果も。
専用クレンジング不要で洗顔料だけで落とせるのも乾燥肌に嬉しいポイントです。
ラ ロッシュ ポゼ UVイデア XL
30mL 3,672円(税込)
- SPF50、PA++++と高いUVカット効果がありながら敏感肌でも使える
- 焼けやすい乾燥肌でもうるおいが続く日焼け止め
- 化粧下地としても使える
ラ ロッシュ ポゼ UVイデア XLは、肌を整える効果のあるフランスの湧水をベースに使った化粧品シリーズ。
海外のブランドですが、アジア人の肌を考えて低刺激設計で作られているので、敏感肌の方にもやさしい使い心地。
SPF50、PA++++と、高いUVカット効果があるので、焼けやすい乾燥肌の方が、長時間紫外線を浴びるときにおすすめです。
HANA ウェアルーUV
30mL 4,320円(税込)
- 日焼け止め、美容液、化粧下地、ライトファンデーションの4つの機能をもつ多機能UVベース
- 100%天然由来、99.7%がオーガニック成分の自然派コスメ
- 保湿成分「クリスマムマリチマム」「ツバキ油」「コメヌカ油」が焼けやすい乾燥肌を守る
オーガニックコスメの人気ブランド「HANA」。
ウェアルーUVは、和漢成分「オウゴンエキス」や「イザヨイエキス」など植物成分が、乾燥肌を紫外線のダメージから守ります。
血色を良くする「ピンクベージュ」、肌なじみの良い「イエローベージュ」の2色があり、ライトファンデーションとしても使用可能。
ふだん使っている化粧下地に置き換えたり、休日のメイクに利用したりと、一本持っているととても便利なアイテムです。
焼けやすい乾燥肌は日焼け止め選びが重要
紫外線は、晴れの日だけでなく、くもりや雨の日も降り注いでいるので、紫外線対策は一年を通じて必要です。
特に、乾燥肌の方は焼けやすいので、日頃から保湿&紫外線対策をぬかりなく行いたいですね。
「日焼け止めは肌への負担が気になる」と感じる方も多いかもしれませんが、肌に優しい日焼け止めを選べば、肌への負担も少なく日々の紫外線対策ができますよ。
紹介した日焼け止めはどれも乾燥肌におすすめできる逸品。ぜひ、毎日の紫外線対策に利用してくださいね。